「ク、クィディッチの選手!?」
休み時間、ハリーはグラウンドを離れてから何があったか、ロンに話して聞かせていた
ロンはぽかんとハリーを見据えたまま、少し固まった
「で、でも、一年生がクィディッチの選手になるなんて・・・君たち最年少だよ。何年ぶりかな・・・」
「あ、先生百年ぶりだって。」
ハリーがピッと指をたてて何事もなかったかのように答えた
Act.10 The parents of the two
「えぇっと・・・、あ、あった。」
はガラスの棚に顔を近づけた
『・』
間違いなく自分の母親の名前だった。
名前の上にスリザリン・シーカーと掘ってある。
これでグリフィンドールだったら最高なのだが・・・。
そういえば、グリフィンドールのシーカーは誰だったのだろう、と思いは隣に移動した
「・・・ジェームズ・ポッター・・・?」
意外にも聞いたことがある名前が目に入り、は驚いた
ジェームズ・・・、確かハリーの父親だったはずだ。
が見入っていると、後ろから聞き覚えのある声がした。
「!?」
ハリーとロン、それにハーマイオニーだった
「あ、みんな!」
「やぁ、。こんなところで何してるんだい?」
「あ、私?これ見ればわかると思うよ。」
は体をどけて、ハリーたちをガラス棚の前に招いた
「わぁ・・・」
ロンが感嘆の声を上げた
「ハリー・・・、すごいよ。君のお父さんもクィディッチの選手だったんだね。」
「僕、信じられない・・・。」
一番驚いているのはハリー本人だった
「ねぇ、。」
「うんっ!?」
少し離れた場所にたち、ぼーっとしていたは、いきなり声をかけられて跳ね上がった
そこまで驚かれると思っていなかったロンとハリーも少し跳ね上がった
「な、何?」
「う、うん・・・。僕、君のお母さんもシーカーだったって、そうウッドに聞いたんだけど・・・」
「うん、そうだけど・・・、私のお母さんのはあっちにあるの。」
はスリザリンの方の棚を指差した
「スリザリンのシーカーだった・・・らしいよ。」
「「ス、スリザリン!?」」
ハリーとロンは声をそろえて言った(まるでフレッドとジョージのようだ)
「でも・・・君のお母さんがスリザリン?」
「うん。そう。」
二人が慌ててスリザリンの棚の方に近づく
そしてあっと声を上げた
「お父さんもスリザリンだったらしいけど・・・」
「「お父さんも!?」」
振り返ったハリーとロンがまた声を揃える
唯一、そのことを知っていたハーマイオニーだけが黙って聞いていた
「そんな・・・僕、びっくりだよ。」
「お父さんとお母さんだけじゃないよ?私の家族って、代々スリザリンだったらしいし。」
あっさりいうに、ちょっと後ずさりするロン
ハーマイオニーまで小さく口をあけていた
「でも私は帽子に頼んだからグリフィンドールになれたけどね。だから細かいことは気にしない!」
三人は先を行くを慌てて追いかけた
「でも、僕本当にびっくりしたよ。パパがシーカーだったなんて・・・」
階段を上りながら、ハリーがぶつぶつ言った
「私だってびっくりした!だってお母さんがスリザリンのシー・・・うわっ!」
階段が突然動き出し、はバランスを崩して手すりに思いっきりぶつかった
ハーマイオニーに助け起こされ、その場にへたり込んだ
「び・・・びっくりした・・・」
「階段は動くのよ。気をつけて。」
「は、はーい」
「とりあえず、階段がとまったから一回離れましょう。はやく」
ハリーとロンが先に歩き、そこの扉を開いた
「なんか・・・やばそうな雰囲気だぞ・・・」
「ここは四階の廊下なのよ!立ち入り禁止だわ!」
「とにかくはやくここをでなきゃ。」
ハリーが振り向いた瞬間、後ろの方でフィルチの猫が現れて火がぼっとともった
「逃げろ!」
ハリーが咄嗟に叫んだ
四人は全速力で走った。つきあたりの扉の前までつき、ロンがガチャガチャと取っ手を動かした
「開かないぞ!!」
「ちょっとどいて。アホロモラ。」
ハーマイオニーが鍵穴に杖をあてて唱えると、鍵がガシャと開いた
「入って。はやく!」
四人が中に入り、急いでドアをしめた
みんなドアに耳をピッタリつけて、耳を澄ました
「何かいたのか?」
フィルチの声だ。
ミセスノリスがにゃーと鳴いた
「・・・おいで」
三人はほっと胸をなでおろした
「それにしても・・・なんでここ立ち入り禁止なんだろう」
「そうだね。割と普通なのに・・・ね、ロン?」
ロンは固まっていた
そして動かない口で必死に声を出した
「これが・・・いるからだ・・・」
真正面にいたのは、怪獣のような犬だった。
一つの胴体に、頭が三つくっついている
黄色い牙がむきだし、その間からヌメヌメとした縄のように、ダラリとよだれが垂れ下がっていた
四人と一頭はしばらく沈黙していた
そのばにいた全員が、不意をつかれて今の状況を理解できていなかった
そして、誰かの足がス・・・と動いたことで、時間が再開した
「「「「うわぁあああああ!!!!!!」」」」
四人は同時に叫んで、口をあけたまま扉を出て行った
カバッをその怪物犬が扉を押し、四人も外から一生懸命扉を押し返した
やっと閉めることができたときには、四人とももう余力はないはずなのに飛ぶように寮に戻った
かけにかけつづけて、やっと七階の太った婦人の肖像画までたどりついた
「まぁ、いったいどこにいってたの!?」
太ったレディは四人の様子を見て驚いた
「なんでもないよ――カプート・ドラコニス」
ハリーはできるだけはやく寮に入りたかった
肖像画がパッと前に開き、四人はやっとの思いで談話室に入った
ひじかけ椅子にへたりこんで、四人ともしばらく口をきかなかった
「どうにかしてるよ、あんな化け物・・・学校に閉じ込めておくなんて!!」
やっと口を開いたのはロンだった
ハーマイオニーも冷静さを取り戻し、同時に不機嫌さも戻ってきた
「どこに目をつけてるの?」
「頭を見るだけで精一杯だよ。気が付かなかったの!?頭が三つ!!」
ロンは大げさに身振りを加えながらいった
ハーマイオニーはハァと息をついた
「は見た?」
「・・・うん。仕掛け扉があった。」
「そう。仕掛け扉よ。何かを守ってるんだわ。じゃあ、そろそろ寝るわ。あなたたちと一緒にいると、命を落としかねないもの。行きましょう、」
ハーマイオニーはの手をひくとその場から少し離れて言った
「もっと悪くなったら、退学ね」
そして階段の方へ消えた
残ったのは、呆れるハリーとロンだけだった
「・・・死ぬよりも退学の方が悪いのかよ・・・」
あとがき
中途半端&短い!!!
久々の更新なのにこれじゃあ・・・
でも次はハロウィーンです。
いよいよ本格的に『あの人』が動き出します。
期待せず待っていてください!(爆
では、ここまでよんでくださってありがとうございました。
2006.5.14 晴天マユミ
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