宴会が終わり、私たちはグリフィンドールの寮に戻ることになった
途中、ゴーストに会って、パーシーがなんかいってたけど、
正直、結構おもしろかったなぁ。
Act.9 The classes begin!!
次の日、ハリーとロンはいきなり授業に遅刻してしまった
朝、は起こしに行こうとしたのだが、ハーマイオニーに『男子寮には入っちゃダメ!!』と怒られ、渋々退いた
全速力で廊下を走る二人。
新学期早々、しかもあの、マクゴナガルの授業に遅れるのだ。
はやく、はやくと急かすハリーと、その後ろからついてくるロン。
バタンと教室の扉を開けた時には、既に他の生徒が全員席についていた。
「ふー・・・間に合ったぁ・・・」
ロンが息を切らしながらいった
「もしマクゴナガルがいたら、どんな顔するか・・・」
ハリーも隣でうんうんと頷く
は教卓の方を見、冷や汗を流しながらその会話をきいていた。
教卓の上で座っていた猫が飛んで、それがマクゴナガルになった
カチーンとロンが固まる
「へ、変身・・・、お見事でした・・・、先生」
「それはどうも。あなたとハリーを懐中時計に変身させましょうか?そうすれば遅刻せずにすむでしょう。」
汗を流しているロンを横目に、ハリーが口を開いた
「道に迷って・・・」
「では、地図にしましょうか?・・・地図なしでも席はわかりますね?」
自分たちはまだまだマクゴナガルには叶わないということを思い知らされた二人であった
「まったく、何なのよ、あなたたちは!?新学期早々から遅刻するなんて、信じられないわ!!」
授業が終わってまもなく、ハリーとロンはハーマイオニーの説教をうけていた
「いい。第一印象が大切なのよ?・・・まったく、あなたたちときたら!」
「君が気にすることじゃないだろう。」
ロンが口を尖らせる
「いいわ。じゃあ、行きましょう」
ハーマイオニーはふんっ、とそっぽを向くと、の手をひいて歩き出した
はハリーにむかってもう片方の手をふりながら、早足で歩くハーマイオニーについていった
「ほんっと、生意気なヤツだよなぁ、あいつって・・・」
ハリーはその後しばらくロンのグチにつきあうはめになったとか。
「今日はなんの授業だっけ?」
金曜日の朝、オートミールに砂糖をかけながら、ハリーがロンに尋ねた
「スリザリンの連中と一緒に、魔法薬学さ。スネイプはスリザリンの寮監だ。いつもスリザリンとひいきするってみんなが言ってる―――本当なのかどうかは今日でわかるだろう」
「マクゴナガル先生が僕たちをひいきしてくれたらいいのに。」
ハリーがため息をつきながら言った
魔法薬学の授業は地下で行われた
はこんなところは初めてだ、とはしゃいでいたが、ロンはぶるぶると身震いしていた
壁にずらりと並んだガラス瓶の中でアルコール漬けの動物がぷかぷかしていた
生徒はそれぞれ席につくと、羊皮紙と羽ペンを取り出した
突然、バタンと大きな音がして、スネイプが入ってきた
前に立ち、くるりとふりむくと、教室全体がシーンとなった
「この授業では杖を振り回すようなバカげたことはやらん。そこで、これでも魔法かと思う諸君が多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち昇る湯気、人の血管の中をはいめぐる液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚をくるわせる魔力・・・諸君がこの見事さを真に理解できるとは期待しておらん。だが―――」
スネイプはドラコの方をチラリと見た
「一部の才能あるものには―――授けよう、人の心を操り感覚をまどわす術を・・・」
ずっと真剣に授業を聞いていたはスネイプと目があって、びくっとした
しかしすぐにそらされて、ほっと胸をなでおろした
てっきり目をつけられたのかと思った!!!
スネイプが突然、「ポッター!」と叫んだ
「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」
ハリーはポカンと口をあけた
隣ではが落ち着きなく動いていた
ハーマイオニーが手を高々とあげたが、スネイプはそれを無視した
「ではもうひとつ質問しよう。ベゾアール石を見つけて来いといわれたら、どこを探すかね?」
「・・・わかりません。」
「モンクスフードとウルフスベーンとの違いはなんだね?」
「・・・わかりません。」
は遂に我慢しきれなくなって、スネイプが少し他のところを見ているすきに、答えをハリーの羊皮紙に書こうとした
しかし、そんな短い間に、答えを全部かききれるはずがなかった
「・・・・!!」
「は、はぃいいい!!!」
はびっくりして悲鳴に近い声をあげ、飛び上がった
「・・・さっきの質問には答えられるかね?」
「は、はぃい!!」
「・・・少し落ち着きたまえ・・・」
「は、はい!えっと、アスフォデルとニガヨモギを合わせると、眠り薬となり、『生ける屍の水薬』とよばれて・・・ます。ベゾアール石は山羊の胃から取り出す石でっ、たいていの薬に対する解毒剤になります。モンクスフーンとウルフスベーンは同じ植物のことです。」
「その通り。グリフィンドールに五点。モンクスフーンとウフフスベーンは別名をアコナイトとも言うが、とりかぶとのことだ。どうだ?諸君、なぜ今のを全部ノートに書き取らんのだ?」
暗記しといてよかった、と座りながらは思った
「Ms.が答えられなかったら、グリフィンドールの点を減らしていたところだ。感謝するんだな、ポッター。」
一時間後、授業が終わった
ハリーは頭が混乱し、滅入っていた
あの後、あまりにも理不尽な理由で、グリフィンドールの点を減らしてしまったのだ
スネイプは何故僕のことをあんなに嫌いなんだろう
「元気出せよ、ハリー。」
ロンが言った
「フレッドもジョージもスネイプにはしょっちゅう減点されてるんだ。それにほら、が五点も取ってくれたお陰で、結局はグリフィンドールの点が四点増えたことになるじゃないか。」
木曜日の朝、とハリーとロンは三人で大広間に行った
ドラコのワシミミズクは、いつものように家から菓子の包みを運んできた
ドラコはスリザリンのテーブルで得意げにそれを広げると、を呼んだ
気付いたが振り向くと、お菓子が飛んできた
咄嗟につかむ
「!!ポッターにはその中に入っている百味ビーンズでも渡せ。臓物味だ。きっと喜んでくれる!!」
ドラコが大声で叫ぶと、スリザリンの方からゲラゲラ笑いが聞こえた
はありがとう、と叫ぶと、つかんだものをテーブルの上にのせた
「、よくあんなヤツと仲良くできるね。」
ハリーが苦々しげに言った
「きっと性格があれなだけだよ。根っから悪い人じゃないと思うよ。」
「人間できてるなぁ・・・」
ロンが呟いた
が包みを開くと、色とりどりのお菓子があった
確かに百味ビーンズもあるが、どうやって臓物味だと知ったのだろう
「クラッブかゴイルで実験でもしたんだろうな、どうせ。」
ロンが気持ちを察したようにいい、百味ビーンズに手をのばし、一個とって口に放り込んだ
「うえー、なんだこの味。あいつら、よくこれが臓物味だってわかったな」
ロンがべぇ、と百味ビーンズを吐き出した
女子が汚い!と叫ぶ
騒いでる間にめんふくろうがネビルに小さな包みを渡した
ネビルはうきうきとそれをあけて、白い煙のようなものが詰まっているように見えるガラス玉をまじまじと見た
「それ、知ってる!」
ハーマイオニーが声を張り上げた
「思い出し玉よ!中の煙が赤くなるのは、何か忘れてる証拠!!」
言っている間に、中の煙が赤くなった
「でも・・・、何を忘れたか・・・それも思い出せないんだ。」
その言葉に、ネビルの周りにいた殆どのグリフィンドール生はため息を漏らしたとか。
その日の午後三時半、ハリーとロンとはグリフィンドールの寮生と一緒に、初めての飛行訓練を受ける為、正面階段から公園へと急いだ。
スリザリン生はすでに到着していた
マダム・フーチが来た。
「こんにちは、みなさん。」
『こんにちは、フーチ先生!!!』
グリフィンドール生全員が言った
スリザリン生は何人か口を閉じたままだったが、フーチに睨まれて、慌てて目をそらした
「では、みんな箒のそばに立って。はやく。立ったら、右手を箒の上に突き出して。はい、上がれ!!」
あちこちで「上がれ」と叫ぶ声が聞こえた
は上がれ、というと箒がパシッと手におさまった
意外と簡単なんだなと思ってあたりを見回してみたが、箒がいうことをきいてくれるのはあまりいないようだった
ハリーとドラコはすでに箒を握っていたがハーマイオニーの箒は地面でバタバタとまわるだけだったし、
ロンの箒は上がるときに勢いが強すぎて額に思いっきりあたっていた
やっと全員が箒を手にし、大体みんながフーチの注意を受けた
(ドラコがずっと間違った握り方をしていたと先生に指摘されたので、ハリーとロンは大喜びだった)
フーチはローブから笛を取り出した
「さあ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください。箒はぐらつかないように押さえ、二メートルぐらい浮上して、それから少し前かがみになってすぐに降りてきてください。笛を吹いたらですよ―――、一、二の―――」
しかしフーチがカウントを終える前に、ネビルは地面を蹴ってしまっていた
ネビルはシャンペンのコルク栓が抜けたようにヒューッと飛んでいった
いろんなところにぶつかりながら、ネビルの空中を旋回した
壁にぶつかり、ネビルは弾き飛ばされた
ローブがひっかかり、やぶけて、ネビルはそのまま落下した
生徒をかきわけて、フーチがネビルのもとへ駆け寄る
「あぁら、手首が折れてる。」
大しておどろいた様子もなく、フーチはネビルに肩を貸してたたせた
・・・そこまで驚かないということは、よくあることなんだろうか・・・
「私がこの子を医務室に連れて行きますから、その間は誰も動かないこと。さもないと、クィディッチの『ク』の字を言う前に、ホグワーツから出てってもらいます!」
二人が城に入った途端、ドラコが大声で笑いだした
草むらの中から思い出しだまを拾い出すと、ポンポンと投げた
「あいつの顔を見たか?あの大間抜けの。この思い出しだまを握れば、しりもちのつき方を思い出せただろうに」
何人かのスリザリン生がゲラゲラ笑った
ハリーが飛び出した
「それを渡すんだ、マルフォイ。」
ドラコは鼻でフン、と笑うと、箒に乗り、飛び上がった
「嫌だね。ロングボトム自身に取らせる。屋根にでも置こうか。」
樫の木の梢と同じ高さまで舞い上がると、そこに浮いたまま呼びかけた
「どうした、ついてこれないか、ポッター。君もきたらどうだい?箒に乗るのが一番の楽しみなんだろう、。」
プチン、との中で何かが切れた
箒にまたがり地面を強く蹴ると、急上昇した
後ろからハリーもついてくる
下でハーマイオニーがぶつぶつ言っているのがきこえた
「それを返せ。でないと箒から突き落としてやる」
「へぇ、そうかい?」
ドラコが言い終えるや否や、ハリーはドラコの方へ向かっていった
通り過ぎたハリーの手には、思い出しだまが握られていた
マルフォイがくそっ、と悪態をつき、ハリーの方へ突撃していった
ハリーはそれをかわすと、もう一度ドラコが突撃してくる前に、思い出しだまをの方へ向かって思いっきり投げた
思い出しだまはのすぐ隣を通り過ぎた
はくるりと振り向いて箒の柄を両手でしっかりつかむと、前かがみになって飛び出した
思い出しだままでもう少し・・・、は右手をのばす
あと三メートル、二メートル・・・
もう少しでガラスに当たる丁度の時に、は一旦前転して右手でパシリと思い出しだまをつかんだ
その光景をマクゴナガルが窓越しに見ているとも知らずに
思い出しだまを片手に、地面におりたつと、グリフィンドール生がわーっ、と群がってきた
「ハリー、、君たち最高だよ!!!」
ロンが絶賛した
しかし感動もそう長くは続かなかった
「ハリー・ポッター・・・、・・・・!!!」
マクゴナガルが城の方から早足で歩いてきた
「まさか―――、こんなことはホグワーツで一度も・・・。」
「先生、二人が悪いんじゃないんです。マルフォイのやつが・・・」
「御黙りなさい、ミスター・ウィーズリー。そこの二人、ついていらっしゃい。」
とハリーはばつが悪そうに目を合わせて、はぁと息をはいた
せっかくこんな素敵な世界に来ることができたのに、またプリベット通りに逆戻りだ。
まだまだやりたかったことはたくさんあったのに―――
正面階段をあがり、大理石の階段を上がり、それでも誰も一言も口をきかない
廊下に出て、しばらく歩いてマクゴナガルは教室の前で立ち止まった
二人に待っていなさいと指示すると、マクゴナガルは教室の中に入った
「クィレル先生。ウッドをお借りしてもいいですか?」
ハリーはそれをのぞいていた
ものぞこうとしたが、ハリーが手でさえぎった
クィレルが手にもっているあるものを見たからだ
があんなものを見たら・・・、一週間は目がさめないだろう
あんな巨大なトカゲ、見たこともない
よばれた青年が立ち上がったのをみると、ハリーは慌ててを促し、さっき立っていた場所に戻った
マクゴナガルがその五年生をつれて、教室から出てきた
青年は何事かと言う目でマクゴナガルを見ていた
「ポッター、。こちらはウッド。ウッド・・・」
マクゴナガルはさっきとはまったく違う表情で二人を見ると、息を吸った
「この子たちは、最高の選手になれますよ。」
あとがき
ああ、ごめんよ、ハリー。
ヒロインが、ハリーの立場を取っちゃいました。
ええ、シーカーという設定の方がいろいろとこのあと・・・ですねぇ、うん(何
あと、完璧に映画の方まじっちゃってますね。
いい所は取る、ってことで!!!
では、ここまで読んでくださってありがとうございました。
2006.3.13 晴天マユミ
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