僕たちの運命は、
今日変わる事になった。
Act.3 The messenger from Hogwarts
ドーン!!!
音を合図に、扉が床に落ちた
は運動神経を生かしてサッとソファの後ろへ潜り込み、ダドリーを盾にした
ハリーは適切な判断で壁の後ろに身を隠す
戸口には身長が二メートルはあろう大男が立っていた
髪は手入れをしていないようにボウボウと生えていて、ひげもそれに負けないくらい生えている
男はしばらくつったっていたが、扉を手で持ち上げて元の場所に戻すと、表情を変えた
「すまんかったなぁ。」
謝ると、男は何かを探すように目をキョロキョロさせた
「今すぐ家から出て行け!!!家宅侵入罪だぞ!!!」
ダーズリー氏は精一杯の勇気を振り絞って言うと、銃口を男に向けた
ギロリと睨み返すと、男はゆっくりとダーズリーに近寄る
「おまえはだまっちょれ、ダーズリー」
そういうと、男は銃口をひねって上に向けた
衝撃で、ダーズリー氏が引き金を引き、バァンという音と共に、天井に8型の穴が開く
それを軽く無視すると、男はズカズカとダドリーの方に歩み寄った
「赤ん坊の時以来だな、ハリー。思ったよりも丸っぽくなっちょる。特に腹のあたりがな」
男がそういっているのを聞いて、本物のハリーは虫唾がはしるのを感じたが、ぐっと声を抑えて黙っていた
「ぼ・・・ぼく・・・ハリーじゃないよ・・・」
・・・余計なことを・・・;;
ハリーはこの際覚悟を決めて、出て行く事にした
足に動けと命令して、ゆっくりと壁の後ろから出てきた
「僕だよ・・・。」
「そうか。そうだよな。もう一人はどうした??」
「え?」
ハリーは首を傾げる
「おかしいなぁ・・・、ダンブルドア校長からは『・』もいるときいたんだが・・・」
その言葉にハリーは思わず目をまるくした
この男は、自分の事ばかりではなく、の事まで知っている・・・?
「何か、用ですか?」
ハリーと会話しているのを聞いてか、それとも自分の名前を知っている以上逃げ場はないと悟ってか―――
が立ち上がった
「おぉっ、間違いないな。・だ」
他の色が一切混じっていない黒い髪の毛、真紅の眼。
左手だけに巻いてある布を見る限り、で間違いはない
男は満足そうにうんうんとうなづいた
「今日はお前さんたちに渡したいものがある・・・」
男はポケットからリボンの巻いてある少しつぶれた箱を取り出した
近くに寄ってきたの横で、ハリーはおそるおそる箱を開けた
中には二人でも食べられないくらい大きいチョコレートケーキがあって、上に砂糖で“お誕生日、おめでとう”と書いてあった
「すまんな、今日に間に合わせるためには一個しか作れなかったんだ。それで勘弁してくれ」
ハグリットは申し訳なさそうにそういったが、一回も誕生日を祝ってもらったことのないとハリーにとっては、十分すぎるプレゼントだった
名前を訊くのも忘れ、二人は思わず「ありがとう」と言っていた
「喜んでもらえてよかった」
男は人懐っこそうな笑顔を浮かべると、近くにあったソファに腰掛けた
重さでソファは深く沈んだ
傘を取り出すと、男はそれを暖炉に向かって一振りした
すると、なんと魔法のように暖炉に灯がともった
とハリーは、それを呆然と見つめているしかなかった
ハリーはさっきもらったケーキの箱を閉じると、横に置いた
「あの・・・あなたは誰―――」
「ルビウス・ハグリット。ホグワーツの番人だ。ホグワーツのことは知っているな?」
「あの・・・いいえ・・・。」
「知らん!?じゃお前さんの親がどこで学んだと思うんだ?」
「・・・何を?」
初めて聞く単語にハリーは怪訝そうに眉をひそめた
深く息を吸い込むと、ハグリットはいった
「お前さんたちは魔法使いだ」
ハリーは目を大きく見開いた
『もし魔法使いだったらなぁ〜』といつも冗談でいっていたも驚きのあまり口が半開きになっている
しばらくの沈黙。
ダーズリー夫妻は、『バレた・・・』というようにため息をついた
それを破ったのはハリーだった
「僕たちが―――なんだって?」
ハグリットは釘をさすようにもう一度いう
「魔法使いだ。しかも凄腕になれる。」
ハグリットは内ポケットに手を伸ばした
「?」
「ほれ、お前さんたちにホグワーツから手紙だ」
二人はそれぞれ自分の名前の書かれた封筒に手を伸ばした
内容は同じらしいので、とりあえずハリーのを見てみる事にした
海の上、
岩の上の小屋、
床、
ハリー・ポッター様
何故ここまでわかるのだろうか・・・??
ま、まさか私たち監視されてる!?とは思って、まわりを見回した
ハリーはというと、手紙を開いていた
上に校長、アルバス・ダンブルドアとかいてあって、下に称号がいろいろとかかれている
本文にはこうかいてあった
親愛なるポッター様
このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストを同封いたします。
新学期は九月一日に始まります。七月三十一日必着でふくろう便にてのお返事をお待ちしております。
敬具
副校長 ミネルバ・マクコナガル
ハリーの頭の上では「意味がわからん」という?マークが飛んでいた
ふくろう便?魔法魔術学校?
ホグワーツというのは、これの事だったのか?
今までの手紙も、ここから送られてきたのかな?
「ほれ、ハリー、、行くぞ」
「待て!おとなしく聞いていれば勝手に話を進めてくれおって!!!二人は行かせんぞ!!!」
怖くてでてこれなかっただけだろ、とは言おうとしたがめんどくさいことになるのは嫌なので黙っておいた
「おまえのようなコチコチのマグルに、この子引き止められるもんなら、拝見しようじゃないか」
「マグル?」
慣れない単語ばっかりが出てきて、ハリーの頭は爆発寸前だった。
代わりに、がハグリットに訊いた
「魔法族ではない者をそうよぶんだよ」
ハグリットは軽く耳打ちした
「こいつらを引き取る時にくだらんゴチャゴチャはおしまいにするとわしらは誓った。」
それをきいて、ハリーの目は大きく見開かれる
は明らかに怒りを込めた眼でダーズリー夫妻を睨んでいた
「知ってたの!?知ってて何も教えてくれなかったの!!!???」
ペチュニアが突然暗闇から姿をあらわす
「ええ、知ってたわ。わたしのご立派な姉がそうだったんですもの。それに、あの、ポッター!あいつに出会って、姉さんは結婚して、どっかへ行っちまった。そしておまえが生まれたんだ。、お前もそうだよ。家にまともじゃないのは姉さん一人で十分だった。おまえの父親であるティアが養子にくるまでは、まだそれなりに平和だったんだ。でも姉さんが三年生の時、学校からつれてきたんだよ。ティア・リドル!そしてそいつも日本人と結婚して、どっかへいっちまった。その間に生まれたのがおまえだよ、。おまえら二人ともまともじゃないんだよ。そしてあげくのはてに、全員ふっとんで死んじまった。おかげで私たちゃ、おまえらを押し付けられたってわけさ!」
リドルという単語が出たときに、ハグリットの表情が一瞬こわばったが、すぐに元の表情に戻った
「吹っ飛んだだって!?自働車事故で死んだって言ったじゃないか!!!」
ハリーが大声を出す
今のは相当頭にきたようだ
は何も言わないが、さっきよりも視線は鋭くなっていた
「自働車事故だぁ!!??そんなもんでリリーとジェームズ、それにリンとが死ぬわけねぇだろうが!?」
「とにかく!!!」
バーノンおじさんが声を張り上げた
「まぬけのきちがいじじいが小僧に魔法を教えるのに、わしは金なんか払わんぞ!!!」
その一言で、さっきまで優しげだったハグリットの表情が一気に変わった
傘を取り出すと、先端をダーズリーの喉元につきつけた
「俺の前でアルバス・ダンブルドアを侮辱するな・・・許さんぞ」
ハグリットは横目でダドリーを見ると、傘の先端をダドリーに向けた
紫の閃光が走ると、ケーキを盗み食べしていたダドリーの尻にピンク色のしっぽが生えていた
「ううわぁ!!!何っ!!??」
ペチュニアが大声で叫び、バーノンはあわわと慌てていた
ハリーとはというと、それを見て大笑いしていた
「あの・・・今のこと、ホグワーツの連中には黙っといてくれんかな・・・?魔法をつかっちゃいけないことになっちょるんだ」
ハグリットが控えめにいうと、とハリーは大きく頷いた
「あいつにいたずらできるんだったら僕たちなんだってするよ」
「てかいじめたい」
がにやりと笑みをうかべた
ハグリットとハリーは思わず後ずさった
ハグリットがコホンと咳払いをする
「ええぇっと、まぁ、そういうことだ。ついてくるかこないかは、おまえさんたちの自由だがな」
ドン、と壁を倒して、ハグリットがこっちを向く
ハリーとは顔を合わせて、笑顔をかわすと、それに続いた
あとがき
リドルをちょっと出しました
家系・・・面倒臭い・・・
家系図でも作ろうかな・・・?
では、ここまで読んでくれてありがとうございました。
2005.12.8 晴天マユミ
前/賢者の石/次