〜BLEACH!!〜
第二十六話
「さてと、これでいいじゃろう。歩けるか?」
「はい。なんとか走れそうです」
更木さんとの戦闘のあと、夜一様に連れられてひとまず安全な場所に避難した俺達
とは言っても堂々と双極の丘の真下に開いた洞窟に避難しているから見つかりやすいっちゃみつかりやすい
だけど一護が目覚めるまでならなんとか大丈夫・・・らしい
「まったく・・・幾ら一護の身の安全を考えてとはいえ、これでは逆にお主の方が危なかったのだぞ」
「危ないのはいつもです。これでも少しは考えて行動したんですよ?」
「お主は考えても考えてないのと同じじゃ!!」
お・・・同じなんだ
「ところで・・・一護の容態は?何か変なところ、ありませんでしたか?」
さっきから隣の結界の中で寝込んでいる一護
目覚める様子は今だない
「傷は深かったが命に別状はない。目覚めるまでそっとしておけばよい。何か気にかかることでもあったのか?」
「いえ・・・それならいいんです」
突然斬魄刀と会話ができるようになっていた一護
地下水路で出てきた虚の仮面にそっくりなもの
ずっと嫌な予感がしてたが・・・考えすぎだったのかな
「ねえ、夜一様」
「なんじゃ?」
「俺、現世に行って霊力が戻って、そんでここに還って来て・・・なんか変な感じがするんです。昔の尸魂界じゃないみたいで・・・」
旅禍として侵入したからかもしれない
だけど・・・ここに来てから感じていた妙な空気。何か・・・大変なことが起こりそう。いや、もう起こり始めてる気がしてならない
「今までずっと、お主は仲間の事を一時の間もなく気にかけていた。どうすれば誰も死なないのか・・・とな」
ご・・・ごもっとも
「それは疲れとなり、精神を乱し、動きまでも乱しておる。今のうちに休め。ここには儂もおる、安心せい」
本当に・・・この胸騒ぎは疲れだけなのか・・・?
ダメだ、考えても無駄だきっと。気分転換してこよ
「・・・ちょっと外に行ってきます。一護が起きるころに戻ってきます」
「ああ、いってこい」
さっき動かなかった足も治療のおかげで普通に動く
その場にすっと立ち上がり、入り口に向かって静かに歩み寄っていった
外にでると微かに風が吹いていた
ここからは尸魂界が一望できる。気を静めるにはもってこい
そういえば・・・花太郎と岩鷲、懺罪宮に二人だけで向かったままなんだよなぁ・・・
もちろんここからも懺罪宮は確認できる
ただ、誰が生きてて誰が死に掛けてるかは判断することはできない
まあ一護が起きてからの方がルキアも助けられて一石二鳥・・・だよな、多分
2・3回深呼吸
「服着ろー!!!」
その途端に大きな声が聞こえた
・・・服・・・?
えーっと・・・今のは一護の声だったよな・・・
「一護ぉーッ!どうした?」
なんとな〜く気になって入り口の方へ振り向く
と、そこから煙のようなものがモクモクと流れ出てきた
ま・・・まさか
「あ・・・!!何とかしてくれこいつをー!!!」
入るなり、悲鳴にも聞こえるような一護の叫びが耳に入る
まあ一護がこうなるのも無理ない。入ってすぐ状況が理解できた
「わかった。わかったから静かにしてろ」
床に座っている一護から視線を上に戻す
「夜一様、ちゃんと服ぐらい用意してから元の姿に戻ってください。アホみたいに一護が驚いちゃってるじゃないですか」
視線の先には黒猫・・・ではなく人間の女性が立っている
「いいではないか!儂の元の姿を始めて目にする者の反応は面白いんじゃから」
元の姿。そう、夜一様は喋る猫ではない。列記とした死神
現世では猫の姿だけど尸魂界ではちゃんと人の姿になる
まあ猫の時、何も着てないから元に戻ると服着てないんだけどな
「はいはい。服探してきます、大人しくしててください。髪紐はその棚の中です」
「おう!任せたぞ〜」
そう言うと、自分は棚に手をかけて髪紐を探し始めた
まったく。毎度のことながら・・・疲れる
「えーっと・・・」
部屋の隅に、木箱やら棚やらいろんなものがまとめて(つっこんで)ある
昔はここで遊んだりしたから多分夜一様の服は残っていると思う
何でもいいよな、着れれば
そう思って箱を開けたりどけたり
そのうち服らしきものが見えた
「夜一様ー!服ありましたー!!・・・ってうわあああ!!」
「そうか!よかったよかった・・・うおッ!?」
ガラララララッ・・・ドン!
無理に服を引っこ抜いた所為か・・・積んでいた荷物が全部俺の上に崩れてきた
しばらくの沈黙
「おーい、〜。大丈夫か?」
「な・・・何とか・・・あーっ!!」
「どっ、どうした!?」
「さっき出した服がまた埋まっちゃいました!」
結局夜一様が服をきれたのはそれから15分ほど後だった
「いや、すまんすまん一護。服なぞ久しく着ておらんかったものじゃからついの」
ようやく服を着た夜一様
服がなくても普通に夜一様が動き回るもんだから、一護はそれが見えないようにそっぽを向いていた
「しかし、おぬし見かけによらず意外と初心じゃの。女子の肌を直に見るのは初めてか?ん?」
「うるせえな・・・」
かすれるような声で言う一護
微かに顔は赤面している
「いいのか?こんなピチピチの女子の肌、今見ておかんともう一生見れんかもしれんぞ」
一護の様子が面白いらしく、ずっとちょっかいを出し続けている
「うるせえっつってんだろ!!大きなお世話ださっさと着ろ!!!」
一護も一護でやけに大きなリアクションを起こす
「ちッ・・・冗談の通じん奴じゃの」
そろそろ止めないとな・・・
「あーもう!夜一様!その辺にしといてください!!」
「いいではないか!・・・一護おぬし・・・つまらん男じゃとよく言われるじゃろう?」
まだちょっかい出すか
「いわれねーし言われたとしてもあんたにゃかんけーねえ!!もなんでそんな平然としてられんだよ!!」
なんでって・・・
「昔っからしょっちゅうだから」
「ああもう畜生!!てかなんでまだ下穿いてねーんだよテメーは!?普通下からだろさっさと穿け!殺すぞコラ!!!」
ダメだ、絶対止んない・・・
「・・・とまあそんなわけで、この道具でおぬしを運んだというわけじゃが。ときに・・・腹の具合は大丈夫かおぬし?」
包帯の所からかなり出血している
挑発に乗って騒ぐからだ
「まァあれだけ叫び倒せばそういうことにもなろうな。以後気をつけろ」
もう遅いって
「それ、手にとって見るがいい」
ポーンと一護に向かって放る
「・・・要するにこいつは、霊力を込めると空を飛べる道具ってわけか」
細長い、紐のような道具だけど、これで空を軽々と飛べるから意外と便利
「そうじゃ!尸魂界に2つとない貴重な道具じゃぞ。ありがたく思え!」
ありがたい・・・のか?
「はい一護貸して。片付けなきゃいけないから」
ぶっ壊れたらそれこそ大問題だからな
「・・・そんな貴重な道具が・・・なんであんたの手元にあって、なんでが管理してるんだ?」
「え?」
管理してるのは当たり前・・・なんだけどな
「それだけじゃねえ。は妙に夜一さんのことを気にかけてる見てえだし・・・お前、一体なんなんだ?」
今更それか、オイ
「死神の中じゃかなり上って事は聞いたけどよ、何でそんな奴が旅禍の夜一さんとそんな親しいんだ?」
あれ?俺の事、浦原さんに聞いたんじゃなかったの?
「それに、変身はできるわ傷は治せるわ、貴重な道具は持ってるわ・・・夜一さん・・・あんたも一体何者なんだ?」
浦原さん・・・全部説明したって言ってたじゃん!!!この野郎!!
「・・・・・・それは・・・」
その時だった
突然感じたこの・・・重い霊圧
「こ・・・この霊圧は・・・!!」
つい最近触れたばかりのこの霊圧、あの人しかいない
「あいつだ・・・!!」
一護も誰かわかったようだ
「・・・朽木隊長・・・」
一護に致命傷を加え、ルキアを尸魂界に連れ帰った張本人
「懺罪宮の方か!!」
霊圧を感じる方向に夜一様が振り向く
それと同時にその横を、まだ完全に回復していない一護が通り過ぎる
「待て一護!何をする気じゃ!」
決まってる・・・こいつは・・・
「懺罪宮には岩鷲と花太郎が向かってる!!俺が行かねえで誰が助けるんだよ!!」
・・・やっぱし・・・
叫んだ一護は近くに置いてあった道具を掴む
それは夜一様が一護を運ぶのに使った道具だった
「飛べ!!!」
出口まで走っていった一護がさっき覚えたばかりの方法で空中へ飛び立ってしまった
「ちッ、馬鹿者が!!」
「追いかけます!!」
屋根伝いに追いかければ途中で追いつける。止めるなら今しかない
「待て。今ここで追いかけていった所であやつは何としてでも行くと言い張るじゃろう」
確かに・・・そうだ
「確実に連れ帰る方法を取る。倉庫から麻酔・・・強力なやつを持って来てくれ。整い次第、懺罪宮へ向かう」
「・・・わかりました」
こんな形で一護を止めたくはないけど・・・これしかない
今の一護じゃいくらあがいたって朽木隊長に勝てる見込みはない、死ぬだけだ。更木さんのときとは・・・違うんだ
強制的に・・・連れ帰る
即座にさっきの部屋に戻り、丸薬類をまとめてある箱をあける
一番強力な・・・麻酔・・・
「これか」
それを手に取り駆け足で戻る
「ありました!」
さっと夜一様に渡し、夜一様はそれを握り締めた
「行くぞ!!」
その言葉と共に崖にせり出していた洞穴の入り口から、一瞬で別の建物の上に着地した
次もどんどん別の建物に飛び移りながら先に進む
「一護は恐らく到着して白哉と戦っておるじゃろう。あやつは一護を生かして捕らえようとは考えん。殺すつもりじゃ」
少し行った所で夜一様が話し始めた
「しかし懺罪宮での斬魄刀解放は一級禁止条項の筈です。朽木隊長が斬魄刀を解放することはないと思います」
隊長格が普段斬魄刀を解放してはならないのは、それだけ力が大きすぎて瀞霊廷がメチャクチャになるからだ
ましてや懺罪宮は極囚に影響がでるため、ほとんどの場合は一切解放してはならないことになっている
今の一護は・・・始解でもしなけりゃ倒せない。倒せても殺せない
俺達が行くまでの間に死ぬことは・・・まず考えられない
「いや・・・そうでもないんじゃ」
俺の考えてたことを見透かすように夜一様が呟いた
「儂の集めた情報によると・・・現在旅禍の侵入の深刻化により戦時特令が出ておる。意味は・・・分かるじゃろう」
常時帯刀、並びに・・・斬魄刀の全面解放許可・・・
「・・・そんな・・・それでは・・・」
「そうじゃ。急がねば白哉は・・・斬魄刀を解放する」
・・・朽木隊長が斬魄刀を解放する前に到着できなければ・・・一護は死ぬ
「しかし、霊圧の変化も今まで特にない。まだ・・・一護は生きておる」
解放したような霊圧の変化はなかった
一回だけ、敵を圧倒する時の変化はあったがその時は誰の霊圧も消えていない
探らずとも一護の霊圧は消えてないことがわかる
「みろ、話しておる間についたぞ」
もう500メートルをきった
目の前にはルキアのいる懺罪宮四深牢までをつなぐ唯一の橋
そこに・・・一護も、花太郎も、朽木隊長も・・・そしてルキアもいた
見れば十三番隊、浮竹隊長もいる
そして、一護は朽木隊長と戦闘の真っ最中だった
「間にあった・・・」
まだ・・・何も起こっていない。ちゃんと間に合った
「まて・・・岩鷲がおらぬ。それに白哉の様子も変じゃ」
もう一度視線を戻す
確認できる人影は5つ・・・岩鷲が見えない
それにこの霊圧の変化・・・
「急ぐぞ!!儂がやつを止める。は一護やルキアの安全確保じゃ」
「了解!」
残り50メートル
「だめだ一護!!!逃げ・・・・・・」
ルキアの声だ・・・
残り・・・10メートル
「散れ」
そこで朽木隊長の声は止った
夜一様が包帯のようなもので朽木隊長の斬魄刀の動きを封じ、俺が一護の前に割って出たからだ
突然の出来事に、その場にいた全員が一瞬言葉をなくす
「あれは・・・」
朽木隊長の後ろにいた浮竹隊長が言葉を漏らす
「貴様は・・・夜一!!!そして・・・・・・やはり貴様も旅禍共と一緒だったか・・・」
結局は目撃される。隠し通すのは無理だ
「あ・・・・・・」
微かにルキアの声が後ろから聞こえた
「よっ!久しぶりだなルキア」
後ろに向きなおって一声かける
それから夜一様が朽木隊長と間合いを取ってこちらに戻ってきた
「・・・よ・・・夜一・・・誰・・・ですか・・・?知らない人だ・・・」
後ろから花太郎の声
「ルキアなら、知ってるんじゃない?」
「ああ・・・聞き覚えのある名だ・・・確か・・・」
「元隠密機動総司令官及び、同第一分隊刑軍総括軍団長・・・四楓院夜一」
ルキアに代わって朽木隊長が答えた
「久しく見ぬ顔だ。行方をくらませて百余年・・・死んだものとばかり思っていたが・・・」
みんなそうだ。夜一は死んだ、そう言った
実際に生きているという証拠も、情報も一切入ってこなかった
でもここにちゃんと・・・夜一様は帰ってきた。死んでなんかいない
「・・・夜一さん」
後ろにいた一護が夜一様の名を呼ぶ
「助けに来てくれたんだろ?サンキューな。でも悪い、どいててくれ。俺はそいつを、倒さなきゃならねえんだ」
やっぱり・・・夜一様のとった作戦は正解だ
このまま無理にでも連れ帰らなきゃ・・・一護は戦う
「・・・倒す?おぬしが?あ奴を?」
一護に振り向かぬまま夜一様が話す
「・・・愚か者」
「・・・え」
夜一様の姿が一瞬かすんだかと思うと一護の懐にもぐりこみ、完治していない傷から腕を差し込んだ
「な・・・ッ!?」
誰も想像していなかった出来事にみな呆然とする
「・・・な・・・何すんだ・・・夜・・・い・・・」
言い終わらないうちに一護は夜一様の方に倒れこんだ
一護は・・・気を失っている。薬が効いたんだ
「・・・薬か」
それを察知したのか、浮竹隊長が呟いた
「穿点か崩点か、強力な麻酔系の何かを内臓に直接叩き込んだな。・・・彼を治す気か、夜一」
さすが隊長、そこまで分かるか
「・・・浮竹」
ただ・・・朽木隊長が黙ってるわけ・・・
「治させると思うか」
ないよな
「させぬ。兄はここから逃げることはできぬ」
「・・・ほう。大層な口を利くようになったの白哉坊。おぬしが鬼事で儂に勝ったことが一度でもあったか?」
か、完全に子ども扱いだ・・・
「・・・ならば試してみるか?」
その瞬間、二人の姿がかすんだ
・・・瞬歩だ・・・
死神の高等歩法。極めれば一瞬で遠くまで行くことも可能。ただしかなり疲れる(連用しすぎてぶっ倒れた記憶が・・・)
一瞬で朽木隊長の後ろをとる夜一様
人を一人抱えているというのにまったく動きにブレがない
一方の朽木隊長もそれに感づき、後ろに振り向き刀を振るった
しかし既に夜一様の姿はなく、空を裂いただけ
次に姿を現したのは浮竹隊長の後方
橋の手すりに着地し、勝ち誇ったように笑ったその時
「その程度の瞬歩で、逃れられると思ったか」
朽木隊長が夜一様の後ろをとった
ハッとして後ろを振り向いた瞬間、振りかざされた刀を避けることができず、その場に崩れる夜一様
だがその姿も徐々に薄れ、最後には一枚の布切れへと変わった
「その程度の瞬歩で、捕らえられると思うたか?」
朽木隊長の肩に手をつき、悠然と笑う夜一様
その姿も、朽木隊長が振り向いた時には既に俺の横にあった
「行くぞ。ここにもう用はない」
仕事は終えた。何もせずにここは退けといっているのだ
「・・・はい・・・少し待ってください」
呟きながらルキアの方をむく
「次は絶対、一護と一緒に・・・また助けに来るから。それまで・・・待っててね、ルキア」
一言言うと、返事は聞かずに一瞬のうちに向かいの建物の屋根に移る
「3日じゃ。3日でこやつをおぬしより強くする。それまで勝手じゃが暫しの休戦とさせてもらうぞ」
次にルキアの前に姿が見せられるのは・・・最低でも3日後、それまでに・・・もっと強くなってもらわなければならない
一護がルキアを救うためには・・・この休戦期間が今までの何よりも大事になってくるんだ
「追いたくば追ってくるが良い。“瞬神”夜一。まだまだ貴様等如きに捕まりはせぬ」
その言葉を最後に風景は一変。さっきの戦闘の跡形もなくなった
ルキアも、花太郎も、あそこに倒れてた岩鷲も、浮竹隊長も、朽木隊長も見えなくなった
無事に逃走できた・・・気は晴れないけど任務完了ってところだろう
そんで・・・久々に見た。“瞬神”夜一
瞬歩に長けていた夜一様が昔、そう謳われていた
百余年もの間、戦闘から退いていたにも関わらず、隊長一人を圧倒する程の速さ・・・やっぱり凄い
そして、いまだ眠っている一護の姿を見る
普通の高校生で、今年の春に死神になったばかり・・・それが朽木隊長の攻撃を退け続け、始解まで出させた
それがどれだけ凄いことか、みんな良く知っている
だからそれだけ・・・こんな形で引き揚げるのは本人にとっちゃ苦痛なんだろう
「さっきは話さなかったが・・・」
一護を見ていた俺に、突然夜一様が話し始めた
「おぬし、一護に何か異変がなかったかと心配しておったろう?」
「はい・・・」
突然どうしたんだろ・・・?
「おぬしの神経を余計に乱すじゃろうと思って言わなかったんじゃが・・・一護の懐から虚の仮面が出てきた」
・・・嘘・・・また・・・?
「前にも・・・一回出てきました。夜一様・・・一護は・・・」
「まさかとは思うがの・・・用心しておいたほうがよさそうじゃ」
用心・・・か・・・どうなっちゃうんだろ、一護
ん?前に一護、虚になりかけた・・・んだよな。自分で言ってたし
確か浦原さんとの特訓中に・・・って、浦原さん俺の事ちゃんと説明してなかったじゃん!!
「・・・浦原さん、俺の事も夜一様のことも・・・多分自分のことも何も言ってませんよ」
「ああ・・・そうじゃろうな。儂のことも、おぬしのことすらもほとんど知らぬようじゃったからのう・・・」
そういって二人で一緒に
「「はぁ・・・」」
ため息をついた
「まあそのことはあとでもいいじゃろう・・・ほれ、ついたぞ」
いつの間にか、さっき出発した双極の丘の下の洞窟付近に到着していた
「誰もついて来ていないようですね・・・」
後ろに誰かついてきているような気配はない
「その様じゃ。一護を寝かせて、一息つくかの」
「すぐ準備します」
急いで中に入り、さっき一護が寝ていた布団をまた引っ張り出す
そこに夜一様がドサッと一護をおろし、荒く息をした
「・・・百年も実戦から遠のいておったツケか・・・百や二百の瞬歩の連用で息があがるとは・・・儂も衰えたものじゃ・・・」
そう呟くとその場に腰を下ろした
「目覚めろ一護。おぬしはまだまだ強くなれる。そして目覚めた時こそ話そう。お主の持つ斬月の真の力と秘密について」
真の力・・・
「やるんですね・・・あの方法で」
「ああ。もはやこれしか方法はない。多少・・・いや、かなり危険だがな」
一護がもっと強くなるための唯一の方法・・・
「無論おぬしもこれから先の戦い、このままでは苦戦をしいられるじゃろう。強くなりたいならば・・・おぬしも危険を覚悟しろ」
俺も・・・一緒に特訓しろってことか・・・
「はい、もちろんです。俺も、もっと強くなります・・・きたるべき戦でみんなを護れるように」
あとがき
やったー!夜一さん出たー!!
とはいっても全然原作みたいな感じが出せてません(泣
こんなんでも読んでくれている人がいて嬉しいです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!!次回に続きます
2006.5.28 煉城瞳
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