〜BLEACH!!〜
第二十三話
恋次を倒したはいいが・・・こんな大騒ぎしちゃって誰も来ないわけが・・・
「・・・だ・・・誰か来ます!!3人・・・いや4人・・・5人かも」
やっぱし・・・
「今大勢こられたら厄介だ!!一旦引くぞ!人のこない所に案内してくれ!!」
「だったらさっきの地下水道に戻ろう!こっちだ!」
岩鷲が一護を背負って急いできた道を戻る
恐らく逃げ切れるだろう、だが・・・どうもおかしい
今来た人数は恐らく4人。そしてそのうちの一人は副隊長レベルの霊圧だった
配置についたとき副隊長同士が同じ場所に来ることはまずありえない話だ、このことから恋次は配置についてたわけじゃない
そして恋次が部下の一人も連れずにあそこにいたということは・・・
「あいつ・・・単独行動で出てきやがったのか・・・」
「え?何か言いましたか?」
「いや・・・なんでもないよ。急ごう」
単独行動時に負けたら・・・朽木隊長のことだ、絶対牢に入れる
大丈夫かなぁ・・・恋次。死にはしないだろうけど
「着いたぞ!早く入れ!!」
気がつくともう地下水道の入り口に来ていた
石畳をはずして急いで梯子を降りる
そのまま小さな部屋のような場所に着くとやっと足を止めた
「ふぅ・・・ここまでくりゃ大丈夫だろ」
「そうだな、しっかし副隊長まで倒しちまうとはな、一護の野郎」
確かにそうだ、普通はムリだろうな
「花太郎、一護の治療してやってくれ。四番隊なんだから治癒能力とか使えるだろ?」
「はい、大丈夫です」
「・・・治癒能力?救護って薬とか使うんじゃねえのか?」
それもあるだろうな
「ええ、他の死神は戦闘にしか霊力を使えないけど僕ら四番隊だけは治癒霊力をもってるんです・・・ほとんどそれしかできないですけど」
「そうか・・・で、どんな具合だ?一護・・・」
あれほどやったんだ、いいわけはないだろうな
「・・・ひどいです・・・でも・・・絶対治します・・・時間を下さい。一晩で治してみせます」
一晩ね・・・そんなにいそがなくったっていいけど
「わかった。頼んだよ花太郎」
「・・・はい」
何時間も過ぎた頃、ようやく一護が目を覚ました
「あ、目が覚めましたか、一護さん」
目が覚めたってことはちゃんと回復傾向にあるってこった
「・・・花太郎・・・俺・・・?」
起きたばっかりで少し頭がボケてるのかここがどこかわかっていない
「動くなよ、傷口ふさがってないんだから」
「傷・・・そうか俺・・・恋次と戦って・・・」
そう言うと何かを思い出したかのように突然起き上がった
「い、一護さん!?」
「ありがとな花太郎・・・もう大丈夫だ・・・」
どこがだ、ボケ
「な・・・何言ってるんです!!ダメですってまだ!!」
そうだそうだ!言ってやれ花太郎!
「・・・いかねーと・・・」
花太郎の制止も聞かないで出口に向かって歩き始める
「一護さん!!一・・・」
一護が入り口に近づいた時・・・突然腕が伸びてきて一護の顔面に直撃した
・・・岩鷲め・・・
「が・・・岩鷲さん!?」
「この程度でブッ倒されるやつのどこが大丈夫なんだよ!治るまで大人しく寝てろボケ!!」
確かにあの程度の攻撃で倒されてたら・・・足手まといになるだけだ
しかしもうちょっとましな止め方はできないのか、こいつ
「あ〜あ・・・またケガが一つ増えちゃった・・・ホント岩鷲さんは荒いんだから・・・」
そこだけは空鶴さん似だな
「うるせーな!いいだろ!ちゃんと止めたんだから!!止め方にゴチャゴチャ文句つけんなよ!」
まあ少しはこれで頭も冷えるだろう
治ったらまた突入だし、少し大人しくしてもらっておこう
「花太郎、一護あとどれぐらいで治りそうだ?」
ここは暗いから時間の流れがよくわからない
何時間かかるかだけでもわからないと突入のしようがない
「・・・肩から胸にかけての傷が浅かったのでもう少し立てば治ると思います。ただ・・・」
「ただ?」
少しためらっている様子だ
「い・・・一護さんの懐に・・・あれが入ってたんです」
指を差した先には無造作に床に置かれた仮面があった
「どれどれ?」
それを拾ってみる
「う〜ん・・・虚の仮面にそっくりだ、一護の懐からこれが?」
「はい・・・さん、一護さんは本当に何者なんですか?」
虚の仮面が出てきたことで花太郎の一護への疑問が頂点に達したか・・・
「なんでもないよ、ただの旅禍。髪がオレンジ色ってだけの不良扱いの高校一年生」
「・・・そうですか・・・」
納得は・・・してないな
まあ俺だってそれしか言えないんだ、勘弁してくれや
「それはそうと・・・一晩ってことは今って夜だろ?明日に備えて俺らは寝るぞ岩鷲!!」
壁にもたれかかる
「お・・・おう」
岩鷲も別の所にもたれかかる
「花太郎も一護の治療が終わったらねなよ、明日はもっと強い奴が出てくるかもしれないから」
「は・・・はい・・・」
瀞霊廷での一日目終了・・・か
・・・あ、もう起きなきゃダメか
とりあえず目が覚めた。ってことは朝か
「やっと起きたか」
近くに立っていた人物・・・一護だ
「い、一護!なんだもう治ったんだ」
「おう!花太郎のおかげでな」
凄いな・・・この子、ホントに一晩で治しちゃった
「そうか、じゃあもう出発できるな」
「こいつらが起きないとできねえけどな」
まだ爆睡している岩鷲と花太郎
「起きろ岩鷲!花太郎!いつまで寝てるつもりだ!!」
花太郎には悪いけど・・・起きてもらわなきゃ
「・・・んご・・・」
変な声を出して岩鷲が目を開ける
そして同時に噴出した
「ど・・・どうした岩鷲!?」
よく見ると・・・岩鷲の膝に花太郎がよだれをたらしていた
「花太郎てめーコラ!何俺の膝枕で寝てんだコラ気色悪い・・・って俺の一張羅がヨダレでズルズルじゃねーかこの野郎!」
それ一張羅だったんだ・・・てかバトルコスチュームって言ってなかったっけ?
「疲れきってんだ、ヨダレぐらい勘弁してやれよ」
今の言葉でようやく一護が立ってることに気がついたらしい
「・・・い・・・一護!!!も・・・もう大丈夫なのか!?」
「おう、花太郎のおかげでな」
同じこと二回聞くと変な感じ
「お前も体の痛み消えてるだろ?お前の傷も花太郎が俺のあとフラフラになりながら治してくれたんだぜ」
だから幾ら経っても起きないのか
「・・・もう一度・・・今度こそだ・・・行くぜ!懺罪宮へ!!」
「おう!!」
でもその前に・・・
「花太郎、いいかげん起きろ。おいてくぞ」
つかれきってる花太郎を起こさなきゃ
「へ・・・?あ、おはようございますさん・・・どうかしましたか?」
な、何も聞いてなかったのかこいつ
「もう行くよ、早く準備して」
「は・・・はい・・・」
とろとろと動き出す
やっぱり疲れてるんだ・・・
「花太郎、あんた疲れとる薬とか支給されてないの?」
これ以上疲れちゃったら精神的にもヤバイだろうから回復できるようなやつがあればいいんだけど・・・
「ありますよ、えっと・・・これです!」
取り出したのはドクロの書いてある丸い粒
「・・・なんだそりゃ?」
みんな花太郎の薬を不思議そうに見ている
「これは疲労した四番隊を更に馬車馬のごとく働かせるために四番隊全員に支給されている特製の滋養強壮剤です」
馬車馬って・・・オイオイ、ドクロ書いてあるのに滋養強壮剤なのか?
「ホントか?」
「ドクロ書いてあるぞ?お前だまされてんじゃねえか?」
ドクロマークの薬なんて聞いたことねえぞ
「一粒のめば、アラ不思議」
そう言うとその薬を口の中にほおりこんだ
疲れてる顔がシャキッとなるのかと思ったら・・・何もおこらない
「さ・・・行きましょうか」
そのうえそのまま出発しようとしてるし
「「「まてまてまてオイ!!!」」」
みんなで怒鳴った
「何ですか?」
「何ですかじゃねえよ!今の薬効いたのか!?効いてねえだろ!!」
「何言ってんですか・・・元気ハツラツ!みたいな顔してるでしょ」
全然、何にも変わってない
「かわんねえよ、さっきと」
「やっぱお前だまされてんじゃねえか?」
普通はそう考えるよな・・・
「なんでもいいさ、早く行こ」
「そうだな・・・」
また昨日行った道を歩き始める
先頭は花太郎、次に一護・岩鷲・俺の順番
もう一度懺罪宮に行くとなるとみんな少し緊張気味で周りのことにまったく興味を示さなくなる
不意に花太郎のカバンからさっきと同じ薬が一粒落ちた
みんなそれに気がつかず、しかも俺はそれを踏んでしまった
「あ、やべっ・・・あれ?これ・・・」
踏んだ薬は粉々に砕けていた
しかしその粉に・・・見覚えが・・・
その場にしゃがんで触ってみる
「・・・小麦粉だ」
やっぱりだまされてるじゃん・・・黙っとこ
「・・・よし、誰もいねえな」
上から一護の声が聞こえる
「早く上がっちゃってよ、誰か来るかもよ」
「お・・・おう」
みんなそそくさと上がっていく
周りに気配はない、自分で言っておいて内心誰も来ないと思う
「・・・昨日ここで戦ったってのにここの警備が一人もナシってのも妙な感じだな」
確かに、なんかあったのかな
「まさか敵さんも一晩たってまだ同じ場所をウロウロしてるとは思わねえんだろうよ」
それだけかな・・・?
「まあ何でもいいや、人がいないのはこっちにとっては有利だし」
「そうだな」
全員地下から這い出す
「・・・なあ、そういや他の連中は大丈夫かな。白マントのメガネとか胡桃色の髪のカワイ子ちゃんとか」
人の心配するかそこで
大体カワイ子ちゃん古すぎ、今時いわねえって
「カワイ子ちゃん・・・言わねーな今日び・・・石田と井上か?」
それ以外に該当者はいないからな
「石田も井上も俺の100倍頭がキレる。勝てねえ敵にムリにケンカ売るようなことはしない筈だ・・・大丈夫さ、きっと」
だろうな、ムリにケンカ売るのは一護だけだもん
「もう一人のは?あのチャドとかいう・・・」
「尚更心配ねえよ」
今度は即答だな
「何でだよ?だってあいつなんてまだ生きてるかどうかも・・・」
「生きてるさ」
またまた即答か。よっぽど気にしてるんだな
「感じるんだ。あいつの霊圧だけは・・・俺らがここの地表に落ちてからずっとな」
ずっと・・・ねぇ・・・
「それに・・・チャドが負けるとこなんて、俺には想像もつかねえよ」
わけありか・・・
「そうか、想像もつかねえなら生きてるってこった。なら心配はいらねえ、行くぞ!」
「おう!!」
一斉に走り出す
昨日は足止めされちまった階段も駆け上る
学校の階段の何千倍もありそうな階段を必死で駆け上っていく
「くッ・・・くそ・・・!それにしても長げえ階段だな・・・!何段あんだチクショウ!!」
しばらく行ったところで岩鷲が弱音を上げる
「ゴチャゴチャうるせーぞ!もうすぐてっぺんだ!!」
あと50段ほどのようだ
そのまま一気に頂上へ着く
「よっしゃついたァ!!」
結構高いから相当な段数を登ってきた筈だがその気があまりしない
いや、それよりも・・・
「誰もいねえ!ここも警備が手薄だ!」
そう、そっちの方が気になる
どうも変だな・・・ここまできても警備の者がいないのはおかしすぎる
ホントに何かあったみたいだな・・・一体何が・・・?
「よし!このまま一気に行くぜ・・・」
一護が言い終わったと同時にとんでもない霊圧を感じた
この霊圧・・・隊長格か・・・!?
いや・・・ただの隊長格じゃない・・・異常なまでの殺気・・・隊長の中でもこんな霊圧を放つ人は・・・あの人しかいない
「・・・な・・・なんだこのでたらめな霊圧は・・・!?何が・・・何がいやがるんだ・・・!?」
こんな霊圧の中にいたら・・・俺と一護はともかく花太郎と岩鷲はあてられちまって動けるかどうかもわからねえ
「・・・な・・・ッ」
「何だよこの・・・デタラメな霊圧は・・・!?」
みんな完全に霊圧だけで圧倒されちまってる・・・まずいな
「・・・ぐ・・・くそ・・・ッ!!」
あの一護でさえも影響が出始めている
今度ばかりは一護だけに任せるわけにはいかなさそうだ
「気をつけろ!!近くに隊長格がいるはずだ!!しっかりまわり見てろ!!」
これだけの量を感じ取れるということは・・・少なくとも半径200メートル以内にはいるはずだ
「んなことしてる暇ねえよ!!」
・・・へ?
「走るぞ!!わかんねえけどとんでもねえ奴が近くにいることだけは確かだ!!」
わかんねえけどって・・・隊長格が近くにいるって言ったじゃねえか
「敵がこっちを見つける前にとにかく走って少しでも進むんだ!!」
だめだ・・・走ってもあの人は一護を狙ってる。だから絶対に見つかる
「・・・おう!」
「・・・はい・・・!」
フラフラなのに花太郎も岩鷲も走り始める
「あっおい!!お前ら待て!!」
おいてかれるのも困るから走る
ただ・・・みんなもうかなり精神力、体力共に削られてるはず・・・いつ誰か倒れたっておかしくない・・・
「あっ!」
思ってた通り花太郎が倒れた
「花太郎!?」
岩鷲が走って戻る
「何してんだよオメーは!?」
「す・・・すいませ・・・体に・・・力が・・・」
完全にあてられたな、これって逆に近づいてんじゃねえのか?
「・・・全く世話のやける・・・ヤローだなオイ!!」
「うわあっ!?」
そういうと腕を掴んで花太郎を持ち上げた
「とりあえず走れ!!もしかしたら・・・」
俺は最後まで言葉を言うことができなかった
後ろから・・・さっきと同じ霊圧を感じたからだ
「お前か?」
まるで真後ろにいるかのように声が聞こえる
嫌なぐらいの威圧感と殺気、寒気まで感じるぐらいだ
一護も感じたのか後ろに振り向く
懺罪宮の壁のうえ・・・一つの人影があった
その人影が急に消えた
・・・後ろだ・・・!!
幾ら早く動いたってその異常なまでの霊圧を感じられないことはない
振り向こうとしたその瞬間
「・・・どうした、いつまでそっち見てやがる?」
その声と共に一護の息づかいが荒くなる
「・・・一護・・・!?」
「・・・はあっ!はあっ!はっ!」
ダメだ、完全に圧倒されてる
「大丈夫か?」
「あ・・・ああ・・・大丈夫だ・・・」
そう言いながら服を掴む
一護が圧倒されるほどの霊圧、異常な殺気・・・やっぱり・・・
「黒崎一護だな?」
後ろにまわった人物が一護の名を呼ぶ
「何で・・・俺の名前・・・てめえ一体・・・」
よっぽど不思議らしい
「なんだ、一角からきいてんじゃねえのか?」
一角からきいた人物・・・それは・・・
「十一番隊隊長、更木剣八だ。てめえと殺し合いに来た」
ついに・・・隊長クラスが・・・動いたか
「それと・・・一角の言うとおりだな、」
俺の方をむく
「一角、なんて言ってたんですか?」
「その強い旅禍と一緒にお前も動いてるって聞いたぞ」
あのヤロ・・・よりによって更木さんに言うか・・・
「まったく・・・でも更木さん、一護とやりにきたんでしょ?俺は関係ないですよね」
「何言ってる、こいつをやったあとはお前だ。そこで待ってろ」
・・・マジかよ
「・・・、やっぱりさっきの霊圧はこいつが・・・」
一護が顔に汗をかきながらも声をかける
この強大な霊圧の中でも正気を保てるようになったか・・・
「うん、間違いない。更木さんの霊圧だ」
さすがに隊長ってのは霊圧のレベルが違う
恋次よりも更に上の霊圧だ・・・一護に勝てるという保障は無い
まいったな・・・
「・・・どうした?」
痺れを切らしたか更木さんが話し始める
「言ってんだぜ俺は、てめえと殺し合いに来たってな。何の返事も無えってことは始めちまっていいのか?」
その言葉で一護が斬魄刀に手を掛けた
ちょうどその時
ドサッ!
後ろで何かが倒れる音がした
振り向くと花太郎が地面にうつ伏せに倒れていて岩鷲も立っているのがやっとの状態にまでなっていた
「花太郎!!岩鷲!!」
「・・・う・・・あぅ・・・」
声にもならないほどの小さな声が聞こえる
「・・・花太郎・・・!!」
不意に一護が斬魄刀から手を離す
「バ・・・バカ野郎一護・・・!」
それを制止するかのように岩鷲が一護に呼びかける
「俺も花もちょっと霊圧にあてられただけだ・・・かまうんじゃねえ・・・!」
ちょっとじゃねえだろ、完璧アウトになってるっての
「俺らのことはいいから前むいてろ・・・!きょろきょろしてっとあっという間にやられちまうぞ・・・!」
「・・・岩・・・」
確かにそれは正しい、更木さんに勝つにはそんな気のゆるみさえも命取りになる
「あーーっ!!ヨダレーー!!」
急に甲高い声が聞こえた
「・・・な・・・!?」
突然聞こえた声に一護も慌てて振り向く
振り向いたと同時に一護の肩に小さな女の子が立っていた
そのあまりの身軽さに何も言うことができない
「わあーよっぽど剣ちゃんが怖かったんだねえ!かわいそー!」
その言葉でようやく一護がその体をはじこうと腕を動かした
「くそ・・・ッ!!」
しかしその反撃は当たらず女の子は更木さんの下へと戻った
「・・・おこられちった・・・」
「バカ、オメーが悪い」
左腕についた副官証、やっぱり・・・
「やちる・・・ちゃん・・・」
十一番隊副隊長、草鹿やちる・・・
「ひっさしぶり!あーちゃん!」
あ・・・あーちゃん・・・?
「あーちゃんって・・・」
「ん?あだ名!」
い・・・いつのまにあだ名なんぞつけおって・・・
「!岩鷲!花太郎連れて先に行け!!」
斬魄刀を構えた一護が叫ぶ
「こいつは俺がなんとかする!!お前らは先行ってルキアを助けてくれ!!」
なんとか・・・できる相手じゃないよ
「何とかってお前・・・一人で・・・」
「うるせえ!いいから黙ってさっさと行け!!」
さっさと・・・行ってられるかよ
「悪いな、俺は残る」
後ろに視線は逸らさずに言う
「な・・・お前も行けって!俺が何とかするっていってるだろ!!」
やけにムキになって一護が怒鳴る
「俺だってルキアのこと助けたいさ。だけどな、ルキア助けるのにお前一人だけ大変な目にあわせるわけにゃいかねえ。一人で何でも背負うな!!」
一呼吸おいてからまた話し始める
「確かにお前は強い、だけどただの人間なんだ。お前等にはお前等の帰りを待ってる人がいる。ルキアを助けるは危険なのに、元の生活に戻れる保障は無いのにそれでもお前等は助けに来た。だったらせめて無事にお前等のこと現世に帰してやりたい。だからお前と一緒にいる、一人で危険な目に合わせはしない」
ルキアを助けられなかった俺にはせめてもの償いで、これぐらいしかやってやれない
俺には仲間だった人たちを斬る覚悟なんて無いから・・・
だったらせめて護るって決めた人を護りたい。そんでルキアも助けてみんな無事に現世に帰ってもらいたい
だから俺はここに残る。決めたから変えない
「わかってくれ・・・一護・・・そんで早く行け・・・岩鷲」
「・・・わかった!」
岩鷲は花太郎を抱えたまま先へと進んでいった
あとがき
あ〜なんか新学期で忙しくて長々&適当になってきたよーな・・・
とりあえず剣八さん編スタートです!読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
次回へ続きます!!
2006.5.1 煉城瞳
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