〜BLEACH!!〜
第二十一話

「・・・ツイてねえのはお互い様だ、ちくしょうめ」
戦いは終わった。だがその戦いが残した傷は大きいようだ
一護の手が限界を超えたらしい。巻き布で血止めをした部分から血が出ている(血止めって言わないじゃん)
「大丈夫か?」
「コイツよりかはな。でもこれってどうやったら血ィとまんだ?」

もう血がダラダラ、これじゃ他の死神が来たら刀振れないな
「一角の斬魄刀は?」
「それならここだ」
足元に落ちていたのを一護が拾った

それを受け取り血止め薬が入っているところのふたを開けた
「ほれ、腕出してみ」
「・・・いいのか?一角のだろそれ」
あんだけやっといてずいぶん遠慮がちだな

「いいのいいの、そんなにけち臭い奴じゃないだろ。ほら早くしろ、一角にも塗ってやらんと死ぬぞ」
死という言葉にかなりの重みを感じたのか素直に腕を出した
「まったく・・・深い傷作っちゃって、ここで他の死神に襲われたらどうするの?」
「んなもん来たら片付けりゃいいだけだろ」

「あんたねえ・・・まあいいや、いざとなったら俺がやるから。・・・よしっ!終わり!」
血がついてるけどさっきの巻き布で一応腕の応急処置完了
「次は一角だな。一護、まだ薬残ってる?」
一護の腕だけでなくなったら俺治せないよ

「ああ、まだ結構あるな」
「じゃ、腹の傷と腕の傷に塗るから手伝って」
「何で俺が!」
「傷を作ったのはお前、傷を作る原因はこいつにあるけどお前だってやったんだから責任もってやれ」

「・・・わかったよ」
そう言うと作業を始めた

傷は一護のに比べてかなり深い
「これやり過ぎだろ。もう少し力加減してやんないと腕飛んでたかもよ?」
「終わっちまったことは気にすんな」
さっきまで「剣を引け」とか言ってた奴が気にすんなっておいおい・・・

「まあいいけど、こっちは終わったよ」
「俺も終わりだ。あとはこいつが起きたらルキアの場所を聞きだしゃいいだろ?」
そうそう、そっちが目的だった
「まあな。俺にも見当はついてるけど・・・正直どこにいるかわかんねえ」

「わかんねえって・・・お前こっちの地理に詳しいって言っておいてそれかよ!」
「だってしょうがねえだろ!!情報ゼロ、しかも到着したばかりで処刑に関することはまだ何も調べてないんだから地理も何もないよ!」
「じゃあ何であの時下に一人で下りたんだよ!!」
・・・なんでって・・・なんて言えばいいんだろ

「俺、先に行ってルキアの情報集めようとしてたんだ。でも一角たちに会っちゃったからまあ行かなくてもいいやって思ったの」
「そうか、でも会えたんだから一緒に行動するんだろ?」
「まあな。ここで単独行動しても意味を成さないからな・・・あ、一角起きた」

一角が目を開けた
「・・・なんで俺は生きてんだ?」
そんなに不思議か
「目ェさめたか」

その後一護の方を見た
「よっ」
「一護・・・てめえ、何でまだそんなとこに・・・」
「イヤー初めて知ったぜ。解放された斬魄刀って持ち主が気絶すると元に戻るのな」
知らなかったんだ

「俺の鬼灯丸・・・!てめえ・・・返っ・・・」
「別に盗りゃしねーよ。ここの血止め薬をちょっと借りただけだ。まあ、俺とあんたに使ったら全部無くなっちまったけどな」
発案者は俺だからな
「しっかしめちゃめちゃ効くなーこの薬」

そういわれて腹の傷を見る
「てってめえ!!何てことしやがった!!」
怒るのかそこで
「何だよ?勝手に使ったからってそんなおこんなよ」

「そういうことじゃねえっ!!くそっ・・・!おかしいと思ったんだ!!あの出血で死んでねえなんて!!」
助けてもらっといてそれか
「うるさいな。助けてもらった奴が言う言葉かよ」
「助けられて永らえるとはとんだ恥さらしだぜ・・・!くそ・・・体さえ動きゃてめえらを叩っ殺してる所だ・・・!!」
「ちぇっ。何だそりゃ、そんなこと言われんなら助けなきゃよかったぜ」

死ぬことに意味はないから助けたけど・・・ここまで言うか?普通
「死ぬことに意味はない、助けられたんだから少しは感謝しな・・・一護、こいつに聞きたいことあるんだろ?」

「ああ。感謝しててもしなくてもどっちでもいい、聞きたいことがある」
「そんなことだろうと思ったぜ・・・ツイてねえや・・・何が知りたい?誕生日でも教えてやろうか?」
んなもん誰も知りたかねえよ
「朽木ルキアの居場所」

「朽木?例の極囚か?お前等あんなモンに何の用だ?」
「助けに来た!」
どうどうと言うなって
「あァ!?た・・・助けにって・・・お前等何人で来た!?せいぜい7・8人だろ?」

大ハズレ
「6人と一匹だ」
「一匹じゃないよ!七人だって!!」
「どこがだよ、一匹だろ?」

「何だ一匹って!?てか本気でその人数で助ける気か!?」
じゃなきゃ来ないよ
「そうだ!」

「ぎゃははははっ!!!でっ・・・できるわけねーだろそんなの!!バカじゃねーのかお前!?」
そんなに騒ぐと・・・
「ぐォっ!?笑いすぎて傷口が!?」
「ばかじゃねーのかオマエ?」

「・・・はァ・・・まァいーや・・・こっから南にまっすぐ行くと護廷十三隊各隊の詰所がある・・・」
あれ、やけにあっさり
「な・・・何だ!?教えてくれるのか!?」
「うるせーな。黙って聞けよ教えねーぞ!」

「はいはい、黙るから教えて」
「・・・その各隊詰所の西の端に真っ白い塔が建ってる・・・そいつはそこに居る筈だ」
懺罪宮か・・・もう処刑まであんまり時間がないな・・・
「ほ・・・ホントか・・・?」
「何疑ってんだよ!てめーがそいつをどうしようと興味はねえよ!助けにいくってんなら好きにすりゃいい!」

「お・・・おう。それじゃ・・・恩に着るぜ一角」
「着なくていいぜ気色悪い」
気色悪いんだ
「行くぞ一護。早くしないとさっきの騒ぎで他の死神が来ちまう」

「あ・・・ああ」
とりあえず岩鷲を探しにいかないとな・・・
「・・・ちょっと待て」
駆け出そうとしたところを一角に止められた

まったく・・・あれだけ行けって言っておいて止めるなよ
「一つ聞いていいか?お前等の仲間・・・を除いてだ、一番強いのは誰だ?」
俺を除いたら・・・一護だろ

「・・・・・・多分俺だ」
「・・・そうか、だったらウチの隊長に気をつけな。ウチの隊長は弱い奴には興味がねえ。てめーの言うことが本当なら狙われるのは間違いなくてめーだ」
さすが戦闘部隊の十一番隊。弱い奴には争う価値も無いと
「・・・強いのか」

「会えばわかるさ。まああの人の強さをてめーの頭が理解できるまで、てめーが生きてられればの話しだがな」
会えばわかる。確かにそうだ、あんな人他にいない
「・・・そいつの名前は?」
「・・・更木・・・剣八だ。わかったならとっとと行け」

「ほら、隊長情報は俺が知ってるからとっとと行くぞ!一角も、あんま喋んなよ。傷に響くし」
「あんたは人のことより自分のこと考えたほうがいんじゃねえか?」
それは・・・そうかもしんねえな
「・・・ご忠告どうも。でも人の忠告は聞かない主義なんでね、俺は行くよ、ルキアを助けに」

それに早く行かないと・・・岩鷲の霊圧がどんどん感じられなくなっていく、そしたら場所がわからなくなっちまう
「行くぞ
「ああ、じゃあな一角」
返事を聞く前に走り出していた

「・・・どっち行ったんだ岩鷲の野郎・・・全然見えねえじゃねえか!!」
まだ全然走ってないのにんなこと言うなって
「あのなあ・・・まだ1キロ走ってないのに。少し気が早いよ」
「しょうがねえじゃねえか!あいつのこと追っかけてんのって一角と同じ隊の五席なんだろ?」

あ、そういやそうだったな
「うん、とりあえず早く行ってやらないと・・・あいつはちょっとなぁ・・・」
弓親は・・・やり方がなぁ・・・とりあえず岩鷲が危ないことは確か
「なんかあんのか?」
「いや・・・説明しがたいような奴だから・・・とにかくまずいかも」

「そうか・・・なんか手っ取り早い方法ないのかよ!!」
んなこと言われてもな
「こんなに霊力持った奴が多いと似たような奴とかいろいろいてさ、よくわかんない」
「くそ・・・一体どこまで逃げ回ってんだよあいつは・・・」

「わかんないよ、お前がぐずぐずしてるからへんなとこ行っちゃったんじゃないの?」
「うるせえな!・・・それにしても見つかんねえっ!!あーもー腹立ってきた!!」
さっきから5分おきに言うなって
「花火でも打ち上げてくれりゃわかるのにな」

「それだ!!」
「え?」
へんなこと言っちゃったかも
「オラァ!!どこだ岩鷲ー!!!」

突然大声を出す
「いるなら花火でも打ってアピールしやがれこの・・・ボ・・・ケ・・・」
街路地の向こうでサボっている死神に発見されたようだ

「いたぞォオあ!!オレンジ髪の死神と長髪の死神だァ!!!ブッ殺せえ!!死んでも更木隊の手柄にしろォ!!」
こんな声が聞こえてきた
「バカ一護!!!気がつかれちまったじゃねえか!!どアホ!!よりによって十一番隊だし!!」
「悪かったって!自分が追われてるの忘れてたんだよ!!」

「あーもういい!!こうなったらやけだ!どこ行ったー!岩鷲ー!!」
「ギャハハハハは!!叫んでもにがさねーぞォ!!」
お前らに捕まるほど弱くねえよ!!
「岩鷲ー!!コラァ!!」

「グヘヘヘ!待てやこのクソ旅禍ァ!!」
こういう時って逃げてんのメンドい!!

なんか手っ取り早い方法・・・あ!簡単だ
「一護、岩鷲探す前にこいつら片付けちゃおう」
「俺もそう思ってたとこだ・・・とっとと片付けちまおうぜ!!行くぞ!」
「おう!」

二人で走るのを止めて振り向く
「おらァ!!!」
すかさず向かってきた死神を殴り飛ばした
一人やられたところで関係はないようだ、まだ向かってくる

「次っ!!」
来る奴来る奴をどんどん蹴飛ばしていく
これじゃ喧嘩だな
「おりゃッ!!」
一護は一護で刀を振り回している
思わぬ攻撃なのかは分からないがよけられる者はいなかった

そして一回は俺のすぐ近くを通った
「バカ!!危ないだろが!少しは考えろよ!!」
「うるせえな!いっぺんに片付けるのはこれが一番いいんだよ!!自分でよけろ」
「なら俺もやってやる!!」

斬魄刀を鞘ごと抜き一護と同じように振り回す
これも一回だけ一護のすぐ横を通った
!俺までやる気か!」
「お前がよけないからだろ!!」

言いあいをしているうちに誰も飛びかかって来ないことに気がついた
あーだこーだ言ってるうちに全員倒していたようだ
「なんか殴り合いばっかりで喧嘩した気分」
「現に喧嘩になったけどな」
「気にすんな」

ちょうどその時

ドパーン!

空中に花火が上がった
「おーホントに上がったよ。なんだあっちか」
「上げんの遅えっつーの、ちくしょうめ」
もうちょい早かったら余計な騒ぎ起こさずにすんだのに

「いいや、早く行こう」
「そうだな」
花火の上がった方向へ走り出す

「それにしても・・・花火が上がったってことは岩鷲が勝ったんだよね」
「だろうな。見つかる前に合流できりゃいいんだけどな」
しかし俺達が旅禍である以上、そんな願いが叶うはずもない
「いたぞー!!例の旅禍だ!!」

後ろから声がする
「見つかった!逃げるぞ!!」
「わかってるよ!・・・こっちだ!早く来い!!」
ここで一護の霊圧の探知能力が低いということに気がつかなければならなかった

一護に言われてとっさに曲がった曲がり角の先・・・騒ぎを聞きつけた死神で道がふさがっていた
慌てて来た道を引き返してまっすぐ走る
「バカ!!何でお前はわざわざこういう道を選ぶんだよ!!さっきより増えちまったじゃねーか!!」
「お前だってわかってねーじゃねえか!誰かいるってわかるなら先に言えよ!!」

「俺は岩鷲の霊圧を探すので精一杯なの!!別の所に注意なんて払ってたら一生会えないよ!!」
「だーもう!!何でもいいからとにかく走れ!!」
こんな多人数、まともにやり合ってたらルキアのところに行く前に疲れちまうっての

「オラ!止れって言ってんのがわかんねえのか!!」
「とまらねえと殺すぞ!クソが!!」
後ろからどんどん罵声が飛んでくる
経験上こいつらは十一番隊だろう

「まだ岩鷲見つからねえのかよ!!」
もう少し静かならすぐにわかるのに
「後ろのバカ共がうるさくて集中できない・・・あ、ちょっと待て・・・近くに岩鷲みたいなのがいる・・・」
ついでに言うとまわりにザコ死神がたくさんいると思う

「で!どっちだ!!どこにいるんだ!!?」
大きい霊圧じゃないからもう少しよく調べないと・・・
「もう少し・・・・・・わかった!こっちだ!!」
少し先の十字路を指す

「あっちか!行くぞ!!」
「ああ」
今合流したらかなりの数の死神に追われることになるんだろうなぁ・・・一護には言わないでおこう

曲がり角の所まで来る
ザザザと音を立てながらブレーキをかけ曲がり角を曲がるとその先には岩鷲がいた
「おっほんとにいやがった!うおーい岩鷲ー!!」
一護が手を振る

「お前・・・目の前に何がいるかわかってる?」
「岩鷲だろ?」
わかってない・・・
「その奥見てみ」

しばらく黙った後
「ゲッ!なんで岩鷲まで追っかけられてんだよ!!」
あっちにしてみれば何で俺らが追いかけられてるんだよって思ってるんだろな
「ちょちょちょちょちょっとまてコラぁ!!なんでてめーらまでそんな追っかけられてんだよ!?」
ほら

「合流するイミねーだろが!!」
それでもなお手を振る一護
「手ェ振ってやがるぞ!!」
「仲間だっ!ついでにブッ殺せ!!」

やけにテンション上がっちゃってるな後ろの奴ら
さらに岩鷲達に接近、これじゃ逃げ道がないな
「だ・・・だからこっちくんじゃねーって・・・う・・・うおおおおおお!!」
こっちくんなって言われても・・・逃げ道ないし

「とりあえず手当たりしだいぶん殴ってけー!!」
その言葉通り、三人で近くにいた奴らを蹴ったり殴ったり
「一護!お前がさっきやった奴!あれやったほうが早いからやって!!」
「おう!いくぜ岩鷲!!!!伏せろォ!!」

「あ・・・あァ!?」
状況が飲み込めてない岩鷲
俺らが伏せた瞬間に一護の斬魄刀が飛んできた

あっちこっちから叫び声と倒れる音がする
「もういいぜ」
一護の声がして俺と岩鷲はその場に立った
「あああああぶねーなこのやろ!!いきなり剣ブン回しやがって!!アホかてめーは!?」

「何ィ!?ちゃんと「伏せろ!」って言っただろが!!」
うん、言ってた
「言ってから振り回すまでがみじけえんだよ!!間隔がよ!!」
確かに

「まあまあ、そろそろ喧嘩やめて。ほら、くるよ」
まだ山ほど残ってるやつ等が近づいてくる
「そうだな・・・で、これからどうするよ?」
「今のは不意打ちで何とかなったが・・・ちょっとばかし強いトコ見せたからって素直に引いてくれるタマでもなさそうだぜ、こいつら」

だろうな
「それならとる道は一つだろ?」
「・・・ああ、だけどこの数はきついんじゃねえか?」
時間が経つにつれてどんどん増えてきてる気がする

「ここで捕まるか、無理してでも全員ぶっ飛ばして進むか、ここに何人敵がいようが俺はそれしか思いつかねえな」
みんな黙る
「確かにそれしかねえな・・・ならこうする他ねえだろ」
一護が敵との距離を詰める

ちょうどその時
「な・・・何しやがんだこのガキャあ!!」
「す・・・すいませんっ!!」
「てめーこっちくんな!」
「なんだてめーは!?」
「痛い!!」

なんだかよくわからないが騒ぎが起こっているようだ
「・・・?何の騒ぎだ?」
「少し様子を見よう、もしかしたらいい方向に動くかもしれない」
隙ができりゃこっちのもんだ

「フラフラすんなコラ!!」
「す・・・すいま・・・あう!!」
「さわんな!殺すぞ!!」
ずいぶんな嫌われ様だな

「うわあっ!!」
しばらくたつと一人が人ごみの中から出てきた
「あうぉふ!!」
変な声を出してこける

「大丈夫?きみ」
一応声をかける
「へ・・・あ、はい・・・」
んな遠慮がちに答えなくたっていいのに

「一護、・・・こっから逃げる楽な作戦思いついたぜ・・・」
「気が合うな、俺もだ」
俺は気が合わないようだ。何考えてるかわからない
「は・・・・・・はい?」

「あ、気にしないでね。俺たちここから逃げ出したいだけだから」
気にしちゃうか
「こ・・・ここから逃げる・・・って?・・・あの・・・も・・・もしかしてあなた達が例の旅禍・・・じゃ・・・ないです・・・よねっ!?」
いや、旅禍だし

そのまま一護と岩鷲が・・・作戦って人質作戦か、転んでた子の首筋に刀を当てた
「おらァ!!てめーら道あけろォ!!」
「てめーらの仲間ブッ殺されたくなかったらなァ!!」
オイオイ

「ギャーッ!!!」
人質の子が叫んでるけど誰も聞く耳を持ってない
というより何やってんだって感じでこっちを見てる
あ、もしかして・・・

「きみ、ちょっとそのバック借りるよ」
返事を聞いてる暇はない、何も聞かずにバックを取る
肩がけ式のバック、そして大きく書かれた四の文字
・・・成程、こいつらが無反応なわけだ

「何・・・やってんだてめえら?」
「え・・・」
「何って・・・・・・人質?」
そうか、一護達はしらないんだ

「俺らとそいつが仲間に見えるか?」
「・・・違うのか?」
何今ごろ自信なくしてんだよ
「きみ、四番隊じゃないの?」

「は・・・はい・・・そうです」
「で、あそこにいるのは十一番隊だよね?」
「そ・・・そうですけど・・・」
あ〜あ、人が悪かったな

「一護、この子人質にしても逃げられないよ」
「なんでだよ」
これは尸魂界特有の事情だけど
「俺等十一番隊は護廷十三隊最強の戦闘部隊、ひきかえ四番隊は弱すぎて救護しかできねえ十三隊最弱のお荷物部隊・・・ゆえに俺等十一番隊は四番隊が・・・大っキライでーっす!!!」

だよね・・・
「殺したきゃ殺せや!ぶっちゃけ一石二鳥だコラァ!!ギャハハハハ!!!」
「いやー!!!」
殺さんからんなに騒ぐなって

「ちょちょちょちょっと待てえ!!キライだから死んでもいいなんてヒドすぎるじゃないかキミ達ィ!!」
人質作戦考えといてそういう反論するんだ
「おーマトモな反論だな」
「つーかまたやばいんじゃないの?」

呆気にとられてたから向かってこなかっただけだから・・・
「いくぞオラァ!!」
「ブッ殺せー!!!」
すぐに向かってくる

「くそ・・・ッやっぱ力ずくしかねえか!!」
一護が刀を構える
「どうやらそのようだな」
俺も構える

もう距離が3メートルほどしかなくなったその時

ドオォン!!

轟音と共に壁が崩れ向かってきた半分の死神の姿が確認できなくなった
「な・・・何だ何だ一体!?」
これは・・・チャンス
「・・・なんだか知らねえけどとりあえず・・・敵が半分になってチャンスってことだけは確かだぜ!!」

反対方向に全員で駆けてゆく
「う・・・うおオオオオオッ!?」
敵の方はくると思っていなかったのかものすごく驚いている
「邪魔だー!!」

斬魄刀を使うまでもない、素手で十分だ
とりあえず手当たりしだにぶっ飛ばしていく
しかし・・・一体誰が壁を壊したんだろ・・・?
「何やってんだ!早くいかねえと追いつかれるぞ!!」
「へ?あ、ああ・・・」

気にしすぎか・・・憶えのある霊圧だったと思うんだけど・・・
とりあえず今は身を隠すほうが先決だ
「この先に倉庫があったはずだ!とりあえずそこに隠れよう」
「よし!」

すぐに倉庫のような建物が見つかった
どこにも敵は見当たらない
「よしっ!入って大丈夫」
急いで中へ入って扉と鍵を閉める

「ふぅ・・・ひとまずこれで安心だな」
中に入っていた荷物に腰を下ろす
「まあね。でも早めに移動したほうがいいかもしれないよ」
「こういうところは旅禍が潜伏してる可能性があるからな、捜索対象になるってわけか」

「そういうこと。だからちょこっと作戦立てたらすぐに出発しないと」
一角の言うとおり更木さんが一護の事を探してるなら尚更だ
「そうだな、岩鷲。地図持ってるんだろ?」
「ああ、あるぜ」

たまには役にたつな
「それはそうと・・・きみ、名前なんて言うの?」
さっき一護達が人質にした子に名前を聞く
「へ?あ・・・はい・・・山田花太郎です」

「へえ、覚えやすい名前だな」
「「逆に覚えにくい!」」
また意見が食い違った
「ええッ!?み・・・みんな「覚えやすくていい名だ」って言ってくれますよ!?」

「そうそう!どこが覚えにくいんだよ!」
「そうか?「山田太郎」か「山田花子」ならわかるけど「花太郎」って!覚えにくい覚えにくい」
こういうのって覚えにくいんだ
「つーかお前俺らの敵だろ?何で自己紹介とかしてんだよ?」

しばらくの沈黙
「・・・そういえば・・・そうですよね・・・」
「まあ気にすんな!」
「って言うよりなんでこんな奴連れてきちゃったんだよ!?」

そういや逃げるときに岩鷲が掴みっぱなしで走っちゃったんだっけ
「しょーがねーだろ!近くにいたからついうっかり連れて来ちまったんだよ!!」
「んなことより早く作戦たてんかい!!」

「・・・しっかしなー・・・その「白い塔」ってのにルキアがいるってわかっても・・・問題はそこまでどの道使って行くかなんだよな」
「まあな、やっぱ隊長格とはあたりたくねえもんな。敵の配置がわかればなあ・・・」
、お前白い塔までの道わかるだろ?どこ通ればいいんだ?」

「道はいろいろあるけどさ、俺も敵の配置まではわからないんだよね。また十一番隊に追われる羽目になるよ」
大体この地図道書いてないし
「・・・ルキア・・・」
後ろで花太郎が口ずさんだ

「うるせーな、作戦会議中だ話に入ってくんなよ」
「つーかお前もう帰っていいよ。どうせ何にも役にたたねーし」
作戦聞かれて帰しちゃっていいのかな・・・?
そのまま無視して作戦会議を続行しようとした

「ルキアって・・・・・・朽木ルキアさんですか?」
花太郎からルキアの名前が出るまでは
一斉に花太郎の方をむく
「やっぱり・・・そうなんですね?六番隊の朽木隊長の妹君で今は極囚の・・・」

「ルキアのこと、何か知ってるのか!?」
「はい・・・その白い塔っていうのは懺罪宮のことです・・・」
そこまでは分かっている
「・・・ぼく・・・知ってますよ。その塔への抜け道」

あとがき
次ぐらいにVS恋次かも・・・
ここまで読んでくださりありがとうございました!!
2006.4.2 煉城瞳
/〜BLEACH!!〜/