〜BLEACH!!〜
第十九話
空鶴さんは空という道から俺たちを瀞霊廷にぶち込むと提案した
俺は見当ついてたけどみんなはまたもや呆然としている
「・・・は・・・花火師・・・!?」
「そうだ!金彦!銀彦!!上げろー!!!」
「はい!!!」
やけに大きい声が聞こえたあとすぐに床が上がり始めた
「わあ・・・ッ!?」
「な・・・何だ!?床が上がってくる・・・!?」
そのまま今度は天井が開き始めた
「・・・て・・・天井が開くぞ・・・!!」
そのまま上昇を続けさっき家の中へ入ったところの近くに出た
「どうだ!!ビビッたかガキども!!こいつが志波空鶴専用巨大花火台!!」
「花鶴大砲だ!!」
あ〜あ、勝手に空鶴さんのセリフ取っちゃって
「勝手に台座に乗るんじゃねぇっ!!!」
「ごめんなさい!!」
案の定蹴りが入った
「こっ・・・こんな時に何の冗談を言ってるんです!?」
すかさず石田が抵抗
「花火師だか何だか知らないがそんなもので僕達を打ち上げる!?どうかしてる!!そんな事したら絶対に死っ」
やっぱり空鶴さんは気に入らなかったようだ。石田に変な玉が直撃した
その物体はそのまま一護の手の中に納まった
「・・・・・・なんだこれ?」
「霊珠核だ。そいつに掌を押し当てて霊力を込めてみろ」
・・・一護って・・・霊力のコントロールできたっけ?
「・・・って霊力を込めるってどうやるんだ?」
・・・やっぱし
「あァ!?何言ってんだ!?そんなもんこうやって鬼道撃つ時みたいに手先に力込めりゃいいだけじゃねえか!」
空鶴さんの手から光が出てきた
「死神なら鬼道くらい使えんだろ?」
「それが・・・こやつは先刻話した通りの俄死神でな・・・鬼道が全く使えぬのじゃ」
「何だとォ!?」
さすがに予想外だったようだ
「・・・ちっ、しょうがねえな・・・ガンジュ!手本見せてやれ!」
「はい!!オラ!よこせ」
ここで一護が素直に喧嘩を売ってきた相手に教えを乞おうとは思わないだろう
したがってガンジュには渡さない
現に何回か避けている
「てめえ・・・やる気かコラ・・・」
「おォ!取れるもんならとってみやがれ!!テメーに教えを乞うぐらいなら死んだほうがましだボケ!!」
こういう時は・・・
「いい加減にしろ!!」
二人の頭の上に空鶴さんの拳と踵が落ちる
「・・・ご・・・ごめんなさい・・・」
「そんじゃあガンジュ、とっととやれ」
「づおおおおおおっ!!!」
その途端にガンジュの周りに球体ができた
「な・・・なんだ!?」
「これが砲弾だ」
コツっと鳴るから結構硬そう
「いいかよく聞け。テメーらは瀞霊廷をガードしているのは周囲に張り巡らされた瀞霊壁だけだと思ってるかも知れねえがそいつは間違いだ」
瀞霊壁だけだったら俺だって普通に入れるし
「瀞霊壁ってのは尸魂界でも希少な殺気石っつう霊力を完全に遮断する鉱石でできてる。だから壁に霊力で穴を開けて中に入ることはできねえ」
だから門番以外に外を守る人がいないんだよね
「その上この殺気石ってやつは厄介なことに切断面からも霊力を分解する波動を出しやがるんだ」
「・・・どういうことですか?」
俺死神だけど全然わかんねえ
「はぁ・・・少しは勉強しろよな。つまり瀞霊廷はその波動で空の上から土の中まで球体状に障壁が張られるってことだ!!」
「そ・・・空から地中まで・・・」
「なるほどなるほど」
やっとわかった
「当然そんなところにただ飛んでっても霊子でできてる俺たちはチリになっておしまいだ。そこでこいつの出番だ!」
やっと出番のガンジュだけどもう疲れきってる様子
「ね・・・姉ちゃんもう疲れ・・・」
「ガマンしろ!」
少々冷たい言葉を放つ空鶴さん
「こいつは俺の開発した特殊硬化霊子隔壁発生装置!お前ら全員でこの球体に霊力を込めれば一時的に瀞霊廷の障壁を破るぐらいの砲弾が作れる!」
そりゃすごいわな
「そいつをこの花鶴大砲で打ち上げて・・・一気に内部へ突入するって寸法だ!多少荒いやり方だが他に方法はねえ!以上だ!何か質問のある奴!」
「・・・・・・え・・・えーっと・・・」
あまりにも荒すぎて何か質問があるかもわかってない
「ないなら解散!地下練武場で霊力集中の練習に入れ!金彦!銀彦!つれていけ!!」
そう言うと二人がみんなをポイポイッと持ち上げて練武場に連れて行った
「しっかり練習しろよ!一人でも集中乱したらその場でドカンだからな!」
それって結構重要なんじゃ・・・
「何ィ!?」
「まあ頑張れ!集中力乱さなきゃいいんだからさ!」
その後も一護がギャースカギャースカ騒いでたけど聞かん
「何だ、お前も行ってこいよ」
「は〜い。でも飽きちゃうんで途中で戻ってきます」
「おう!早く行ってやれ」
とりあえずみんなのあとを追って家の中へ入ろうとした
でもなんとなく後ろを振り向くとガンジュと空鶴さんが話しているところだった
しかしすぐにガンジュがこっちに向かって走り出し、空鶴さんも花鶴大砲のところに座り込んだ
すぐ横をガンジュが通り過ぎた
その目には迷いの光が出ていた
「・・・空鶴さん」
花鶴大砲の所へ戻る
「あ?まだいたのか。行っていいっつったろ」
「・・・ガンジュ、まだ嫌いなんですよね・・・死神のこと」
「それがどうした」
「ごめんなさい。空鶴さんもガンジュも俺らが来たせいで・・・また考えてたんですよね・・・お兄さんのこと」
空鶴さんには死神のお兄さんがいた。でも死んだ、俺たち・・・死神によって
だからガンジュは死神が嫌いなんだ
「考えてたさ。でもな、憎くたって死神に協力しねえわけにはいかねえ。兄貴に怒られちまう」
「そうですか・・・」
「しけた面すんな。俺の兄貴はあんなことで死神を怨むような奴じゃねえ、むしろ感謝してたさ。だからもういいんだ」
面白い人だった、そしてどんな掟にも縛られない優しい人。自分を殺した死神を怨みもしなかった
「わかってます・・・でも・・・」
「だからいいっつってんだろ!!」
急に頭を殴られた
「あ・・・はい」
「その話はもう終わりだ。あいつらが霊力の調整ができるようになるまではまだあるからな、これでも飲んでろ」
出されたのは酒の入ったビン
「・・・俺未成年ですけど」
「何言ってんだ、いつまで人間気分でいるつもりだ?俺よりはすくねえけど十分生きてんだろ」
「そうでした。でも俺飲めないんで」
そのまま返した
「・・・空鶴さん、あの方法でいくと・・・どれくらいかかりますか?」
過去を振り返ってる暇はない・・・今なければならないのは時間と力
「あいつらの練習にもよるが・・・一般的には半日もやりゃァできるようになる」
「・・・・・・・・・」
一護がこんなことを早くできるとは思えないから・・・逆に不安
「お前は行かなくていいのか?」
「俺が鬼道を撃てないなんて言いましたか?」
「そりゃそうか」
「つーわけで俺暇なんで、ここいていいですか?」
「ああ、別におもしれえもんはねえがな」
気がつけば空には薄く月が出ていた
「でももう夜ですね、そろそろ一護たちできるようになってますかね?」
「ちゃんとしてる奴はな・・・ところで、お前が身を潜めなきゃならねえ事情ってのは何だ?」
ちょっと突然すぎやしませんか?
「・・・ここら辺に死神は来ますか?」
「いや、誰もこねえ。なんだ?他の死神に訊かれるのもだめなのか」
「はい」
「そこら辺はどうでもいい・・・何があったんだ?」
その言葉には有無を言わせない強さがあった
「実は・・・」
話そうとしたその時、強大な霊圧を感じた
「・・・一護・・・!」
紛れもなく一護の霊圧だった
「あの野郎・・・一体何してやがんだ!?行くぞ!」
「はい!」
急いで家の中へ走りこむ
階段を猛ダッシュで下り廊下を走りぬけ練武場についた
「何だ!?どうした岩鷲!?何があった!?」
部屋に入れないようなことが起きてるのか・・・?
「ご・・・ごめん姉ちゃん・・・俺コツを教えてやっただけなんだ・・・それがこんなことになるなんて思いもしなかったんだ・・・!」
中で一護の霊力が暴走してるんだ・・・メノスが来た時のように
空鶴さんが戸を開けると一護が中で大きな球体を作っていた
「一護!!聞こえてるか!?聞こえてたら今すぐ・・・」
霊力を固めろと言おうとした
「バカ野郎!!何してんだてめえ!!!さっさと霊力を固めやがれ!!!」
空鶴さんの方が早かったけど
どうやら一護には聞こえたらしく巨大な球体が一気に小さくなった
「・・・で・・・」
「できたっ!!!」
「や・・・やったね黒崎君!!」
「お・・・おォ!!」
ま・・・待てよ・・・ここで集中力切らしたら・・・
急に球体の一部が「ジリッ」と鳴った
「バ・・・っバカ野郎!!急に集中を解くんじゃねえっ!!!」
「・・・え?」
ズドオォォン
激しい爆発音とともに砂煙が舞う
「バカ一護!!ちゃんと霊力入れろ!危うく怪我するところだったじゃねえか」
「俺の心配はなしかよ・・・」
「当たり前だ、ハナシを聞ーてなかったのかてめえは!?」
空鶴さんも一護の頭をグリグリしながら言う
「言ったろが、『集中乱したらドカンだ』って!あァ!?言ってなかったか俺!?なァ?」
「ハイ・・・確かにおっしゃってましたお姉さま・・・」
さすがにここまでくると反抗できないようだ
「じゃあ何か?ワザとやってんのか?」
「そうだぞ!!大体テメーが・・・がふッ」
「テメーも同罪だボケ!」
岩鷲の頭にも一発
「そ・・・そんなあ!」
空鶴さんの弟だってのにこんなにも性格に違いが出るんだな
「そんなじゃねえ!!同罪!メシ抜きだ!!、こいつらの分食っていいぞ!」
「あ、どうも」
「ハハハ!ザマーミロ!」
一護にさらに強い力が加わる
「いててて!ごめんなさい!ごめんなさい!」
アホか
「そんじゃあ解散にするか。全員できるようになったんだろ?」
「解散の前に・・・瀞霊廷に突入する時の心得を確認しておかねばなるまい」
今まで気がつかなかったけど夜一様が後ろにいた
「心得・・・ですか?」
「そうじゃ。こういうバカがおるからの、念を入れて確認しないわけにはいかぬ。そこに座れ」
バカってのは一護だな
とりあえず練武場の中央へ
「まず突入してからじゃ。恐らく隊長・副隊長にはいやがおうでも出くわさなければならぬ。その時は迷わず・・・ギニャー!!」
突然夜一様が叫んだ
それもその筈。一護が突然倒れてそのまま夜一様のしっぽを思いっきり掴んだのだから
「何やってんだ!!夜一様のしっぽ放せ!!」
何の反応もない・・・寝ているようだ
「全く、黒崎の奴は・・・」
完全にあきれてる様子の石田
「こんなんで本当に突入できんのか・・・」
突入する準備は整ったけど不安が増す一方だった
数時間がたった
「まだ寝てんのかあいつは」
とっくに出発の準備は整ってるってのに一護が起きてこない
「僕が起こしに行ってくるよ」
あれほどあきれてたのに石田が起こしに行った
「、やはりそれはとったほうがよいのではないか?」
また空鶴さんの家に着てきたものを着ている俺
「これですか?確かに邪魔ですけど・・・」
「せめて顔を少し隠すくらいにせい。この騒動が終わった後に厄介になるぞ」
「そうですね。じゃあこれだけにします」
懐から隠密機動のときによく使っていたマスクを取り出す
「どうですか?」
「昔と変わらん」
・・・成長してないってことか
「とりあえず侵入した時にばれなきゃ何でもいいです」
極秘ってのは面白いもんだ
「そうじゃの」
10分ほど立つと二人が帰ってきた
「よし!揃ったな!」
「はい!」
みんなは返事をしたけど一護だけはしなかった
「・・・一護?」
「どうした夜一さん?しっぽがよく曲がる歯ブラシみたいになってんぞ?」
こいつ・・・空気読めないのか
「何か・・・文句でもあるのか?」
やけに夜一様が凄む
「い・・・いえ・・・いつも通りの素敵なおしっぽです・・・」
日本語間違ってるし
「おい、岩鷲のヤツはどうした?」
そういやいないや
「どうしたって・・・あいつなら下で何か読んでたけど?」
「何読んでたんだ?」
「俺が知るかよ。なんかずいぶん難しそうだったけどな」
ふ〜ん・・・それじゃあガンジュも・・・
「ちょっとまったあ!!!」
ガンジュの大きな怒鳴り声
そしてしばらくの息切れの後
「ヒーローは・・・遅れて到着するもんだぜ!」
誰がヒーローだ
「・・・なんだそのカッコウは?」
見送りをするだけにしてはやけに整った服装・・・まるで戦闘用のようだ
「岩鷲様専用バトルコスチュームだ!カッコイイだろ!泣いてたのんでも貸してやんねーぞ!ザマーミロ!」
誰も思わないと思うけど
「バトルコスチュームだあ?何で見送りのてめーがそんなカッコ・・・」
一護が言いかけたとき急にガンジュが一護に迫った
「俺の兄貴は!死神に殺された!!」
ガンジュが最も死神を嫌う理由をこうも易々と一護に言うからには何かあるのか・・・?
「岩鷲てめえっ・・・!」
さっき花鶴大砲のところで・・・たぶんこのことを一護達に言わないようにって言ってたんだ
「姉ちゃんも黙って聞いててくれっ!!」
いつも空鶴さんには何一つ逆らえなかったガンジュが・・・空鶴さんを黙らせた
「・・・俺の兄貴は天才だった・・・」
そう、天才と呼ぶにふさわしい力を持っていた
「流魂街の出てありながら死神統学院に一回で合格した。その時点での霊力は六等霊威。護廷十三隊の副官補佐クラスだった」
その後も六年あるカリキュラムを二年で卒業し本隊に入隊。たった五年で副隊長まで登りつめた・・・とガンジュは話した
「だけど兄貴は殺された!仲間だった死神共に裏切られて!!」
・・・そうか・・・こいつまだ知らないんだな・・・だから誰にもまして死神を嫌うのか
「俺はその時まだガキだったから詳しいことは覚えてねえが絶対忘れねえ事が2つだけある!ボロボロになって死掛けた兄貴を
うちまで引きずってきた鬼のような顔の死神と!そいつに最後に嬉しそうに礼を言った兄貴の顔を!」
な〜んか空気がやけに重くなった
「俺には兄貴が何でそんなことをしたのかわからねえ・・・けど一つだけ言えるのは兄貴は最後まで一度も死神どもを憎みも嫌いもしなかったって事だ!
俺は知りてえ!どうして兄貴は最後まで死神を憎まなかったのか!どうして兄貴は最後まで死神を信じてられたのか!」
そのまま一護の胸倉を掴んだ
「てめえは他の死神どもとは違う!そんな気がする!てめえについていけばなにかわかんじゃねえか、そんな気がする!
だから俺はてめえを手伝ってやる!本当の死神ってのがどういうもんなのかギリギリのとこまでいって見極めてやるよ!」
なんだ、ガンジュもちゃんと考えてるんだ
「岩鷲くん・・・」
「イッ・・・イカスぜ・・・!兄貴・・・!」
「・・・岩鷲殿・・・!ご立派になられて・・・!!」
「・・・・・・」
とりあえずなんて言っていいのかわかんないから黙っておく
「ハッ・・・どうやら覚悟は決まってるみたいだな・・・途中でビビッて逃げんじゃねーぞ糞ガキが・・・行くなら死ぬきでいってこい!」
「おう!」
今度は一護がガンジュの腕を振りほどいて胸倉を掴んだ
「よろしくな」
「てめえ・・・!」
「用意はいいか!もう待ったはきかねえぞガキ共!行くぜ!!」
いざ・・・瀞霊廷・・・!ってところかな
「あれ?」
一護が急に止まった
「どうした?」
「いや・・・これって中にいる全員で霊力込めて砲弾作るんだろ?」
「それがどうかしたか?出来るようになったんだからいいじゃねえか」
「俺らはそれぞれ必死こいて練習して砲弾作れるようになったけど・・・夜一さんはできるのか?」
必死こいてたのはお前だけだって聞いたぞ
「当たり前だろ、この人を誰だと思ってんだ」
「よい。一護、要らぬ心配じゃ・・・どれ、そいつをそこに置いてみろ」
地面に置かれた霊珠核に夜一様が乗る
その瞬間に砲弾が出来上がった
「・・・こんなもの儂にとっては呼吸に等しく容易いわ」
一護はへこみまくる
「悔しいか?悔しいのか?自分があれほど苦労させて完成させた物を儂がいとも容易くできてしまったのが悔しくてたまらんのか?」
たまらんだろうなぁ・・・
「でっ・・・でもは!?はできんのか!?なにもやってねえだろ!?」
俺に逃げるか
「あのなあ・・・」
霊珠核を受け取り霊力を込める
「俺だって列記とした死神だ。霊力を込めるぐらいできないわけないだろ?夜一様と一緒、呼吸に等しく容易いの」
ちゃんと砲弾は出来上がっていた
「・・・・・・」
もう一度一護がへこんだのは言うまでもないだろう
「用意はいいか?」
空鶴さんが訊いてくる
「もちろん!」
その返事を聞くと花鶴大砲を叩いた
「中に入れてめえら!始めるぞ!!」
みんなぞろぞろとはいっていく
「全員霊珠核に手を当てろ、もうすぐ始まる」
全員片手を押し当てる
「・・・時期夜が明ける、それを合図に打ち上げ式が始まる。いいか中に入ったら決して逸れるな」
逸れたら最後・・・仲間と会えるのは牢獄の中と思ってもいい
「隊長格と出会ったら迷わず逃げろ。儂等の目的はルキアの奪還、それのみじゃ。絶対に無駄な危険を冒してはならん!」
話し終わった頃に空鶴さんの声が聞こえた
「彼方!赤銅色の強欲が36度の支配を欲している!!」
実際これを聞くのは初めてだ・・・ワクワクする・・・今までやったことのないことをする時は決まって楽しくなる
「始まったぞ!!霊力を込めろ!!」
一斉に霊力が一点に集中する
「72対の幻、13対の角笛、猿の右手が星を掴む!!25輪の太陽に抱かれて砂の揺籃は血を流す」
なんかすごいこと言ってる気がする・・・
「花鶴射法二番!!!・・・拘咲!!!」
ものすごい轟音と共に俺たちは空に打ち上げられた
「おおぉ・・・ッ!!」
案外衝撃は少ない
「な・・・内部は思ったほど衝撃は無いんだな・・・」
でもこのスピードじゃ瀞霊廷へ突入できるほどの威力は生み出せない筈・・・?
「バカ野郎・・・これからだぜ!」
「え?」
急に砲弾が上昇を止め直角に猛スピードで飛び始めた
「うわああああああ!!」
「ジェットコースターみたい!!」
「感想はそこだけか!!」
ツッコミしてる余裕もあるんだ
「他に言えることないもん。さあ、ツッコミなんかしてないで集中しな!こっからが本番なんだろ?岩鷲」
「ああ」
そういうと懐から紙を取り出した
「な・・・何する気だお前!?」
「継の口上だ!花鶴射法二番は二段詠唱なんだ!打ち上げから方向決定までを先の口上でその後の加速と軸調整を継の口上でコントロールする!」
メンドくさそう
「じゃあ邪魔したら・・・」
「無事じゃすまねえだろうな。さてと・・・みんな聞いてくれ!」
一気に注目
「瀞霊廷に無事に突入するためにはこの砲弾の軸を安定させる必要だある!そのためには全員の霊力の放出量を均一に調整しなきゃならねえ!」
「そりゃできるけど・・・」
岩鷲が継の口上を読みながら霊力を込めるなんていう器用なことができるとはとても考えられない
「そうだ、俺はこれから術式に入る!そうなると霊力の放出にあまり気を払えねえ!そこでだ!みんな俺の霊力量に合わせて欲しい」
俺らが合わせるのか
「こいつに手を触れてれば周りの奴の霊力量がわかるはずだ。ミスったら終わりだ!頼むぜ!」
「当たり前だ。瀞霊廷に入るためなら何でもするぜ」
「はい!」
「・・・わかった」
返事を聞くと岩鷲が紙を広げた
「花鶴射法二番!!継の口上!!!三雀の縁四竜の縁五方塞がりて六里還らず。天風・猩々・匙・楡の杖・・・」
そこらへんまで読んだところで一護の霊圧だけが少し大きめ
「く・・・黒崎君・・・っちょっと・・・多い・・・ッ!」
「そ・・・そうか?わ・・・悪い・・・」
やっぱり一護はこういうことは苦手なんだ
「黒崎!もう少し落とせ!」
「わ・・・わかってるよ!これでも結構減らしてんだ!!」
減ってないって
「・・・一護・・・」
「わ・・・わかってるってば!!」
わかってない!
「千灰千智白雲の計・・・」
これじゃあそのうち間違えちまうな
また一護の霊力が上がった
「バカ、また上がったぞ」
「わかってるって!今減らしてんだ!ちょっと待ってくれよ!」
待てへんわ
「太陰に寄りて緋の影を踏まず、千灰千智・・・」
・・・なんか今の変だったような・・・
「バカ野郎!!同じ行2回読んじまったじゃねえか!!!」
予感的中
「何だよちくしょうそれも俺のせいかよ!?」
「てめーがギャーギャーうるせえから気が散ったんだろがボケェ!!」
ここまできても喧嘩するかこのバカ二人は
「やめて黒崎くん!岩鷲くん!そんなことしてる時じゃないでしょ!!」
「そうだ止せ!」
・・・時間だ
「・・・おい・・・外・・・見てくれ・・・」
「・・・せ・・・瀞霊廷だ・・・!!」
あまり危機感ってのが感じられないな・・・突入できるってことか?
「ここまで来ちまったんだ、もう突入するために砲弾を硬くするしかない」
「そうじゃ!全員でありったけの霊力をこめるんじゃ!!」
頼む・・・ルキアを助けなきゃならないんだ・・・通ってくれ・・・!!
「行ってくれえ!!!」
あとがき
祝、瀞霊廷突入!(まだ入ってないし)
結構長くなっちゃいましたけど読んでくださりとても光栄です!
次回に続きます!!
2006.3.19 煉城瞳
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