〜BLEACH!!〜
第十六話

「穿界門?コレそういう名前なんだ」
目の前には変なお札で固められた四角い物
「そうです。イヤー疲れましたよ、なんせ朝晩ずっと続けて作ってたもんで」
「そんな疲れる物作らなくたって地獄蝶使えばいいじゃん」

「何言ってんですか、地獄蝶を使って尸魂界に行けるのは正式な死神だけなんです。貴方は行けても他の人が行けません」
「知らないもん。第一俺それしか習ってないし」

今は勉強部屋(浦原商店地下)で尸魂界へ行くための門の最終調整の手伝い
義骸はもう処分してしまったから今の俺は死覇装
ルキアと一緒で俺も死神だから一度尸魂界へ還れば俺に深く関わったもの以外、記憶は消えちゃうから早めに処分した

「じゃあコレは仕舞っちゃいましょうね」
そういうと浦原さんはあの門を4辺にわけて見えなくしてしまった
「なんで?仕舞ったら出すのがめんどくさいじゃん」
「いえいえ、指を「パチ」って鳴らして出てきたほうがカッコイイじゃないですか」

「・・・そろそろ集合時間じゃないんですか?」
これ以上はまともな理由はないと思って話を逸らした
「お、そうですね。じゃあ玄関に出て黒崎さんたち迎えに行ってきてください」
「ここエレベーターにしてくださいよ。梯子だと疲れるんですけど」

地上とつながる唯一の道はとてつもなく長い梯子のみ
「貴方に高さは関係ないでしょうが、飛び降りたりすればいいんですから。それにあたしらにはそんな予算も技術もありません」
「はいはい、期待した俺が悪ーございました。とにかく迎えに行ってきます」
「あ、皆さん集合しちゃったみたいですね」
「え!?うっそ!早く行かなきゃ」

確かに梯子を上るのはあまり関係なかった(ホントに飛んでみた)
戸を開けると一護、織姫、チャド、石田が揃っていた
「みんな揃ってるね」
「おう!で、どうやって尸魂界に行くんだ?」

「ついておいで、下についたらしっかり浦原さんの説明を聞くこと。そうしなければお前らは尸魂界に行く前に死ぬことになる」
「お・・・おう」
やけに緊張気味の男子3人に対してこれから始まることが気になってしょうがない小学生気分の女子一名
「緊張するのは大いに結構!だけどそのせいで判断を謝ることだけはしないように。じゃあ行くよ」

商店に入りそのまま梯子を使い(自分は飛び降りた)例の穿界門の前まで来た
「すごーい!あのお店の地下にこんなでっかい空間があるなんて!かっこいい!秘密基地みたい!!」
確かに秘密基地みたいだけど・・・ここまでは感動できないな
「そうか?」

「す・・・素晴らしいリアクション・・・!このテッサイいたく感激いたしました・・・!」
「えへへー♪どうもどうも!」
「・・・織姫ってテッサイさんと初対面だよね?」
一護に聞いてみた
「たぶんな・・・こいつらは向こういったらうまくやれんのか?」

こいつらってのは石田とチャドのことか
「とりあえずは・・・たぶん大丈夫。結構フレンドリーだよあっちの人は」
「ハイハイ皆サーン!こっちにちゅうもーく!いきますよー!」
そしたら浦原さんはやっぱり指を鳴らして門を出した

「さ、これが尸魂界へ続く門穿界門。よーく聞いといてくださいね。これから教えるのはこの門を死なずに通り抜ける方法っス」
「はいはい、凄ませなくていいから早く説明しちゃってください。俺もこれに関しては初体験なんですから、機能は知ってるけど」
「そうですね。じゃあ先に黒崎さんの魂抜いちゃいましょうか」

そういうといつもの杖で一護の魂を抜いた
「おー!!」
みんなから賞賛の声
「キレイに抜けるもんだなあ」
「ねえねえ、こっちの黒崎君にはもう黒崎君は入ってないの?」

「当たり前だろ、ヒトを金太郎アメみたいに言うなよ。てかオマエらなんで勝手にヒトの体さわってんだよ」
「そうだそうだ!これからしばらく俺の体になんだぞ!なれなれしくさわってんじゃねーよ!!」
「おわあ!!」
「コン!あんたなんでここにいるの!」

「なんでって俺も行くからに決まってるだろーが!!」
「はいっ!チャドパス!!!」
「・・・?・・・ギャアアアアアア!!!」
よし、コンの弱点はチャドっと

「はいはーいこっちむいてー、門の解説はじめるっすよー」
「あ、はーい!」
「・・・この門は通常の穿界門の上から霊子変換機を重ね、それを結合符で覆って固定してあります」
「霊子変換機?」
「そっす」

「尸魂界ってのは魂魄の世界ってのは知ってるでしょ?つまり魂魄の状態でなければ入ることは不可能なわけ」
「そして皆さん承知の通り魂魄の状態で移動できるのは死神であるさんと黒崎さんのみ」
「織姫とかは魂魄を抜いても因果の鎖があるから尸魂界に行くどころかろくに動けやしない。そこで霊子変換機!」

「こいつは現世のあらゆるものを構成している「器子」と呼ばれる物質を魂魄の主成分である「霊子」に変換できるんス」
「・・・・・・・・・・・・つまり魂魄を抜かなくてもこの門をくぐれば・・・」
「そう!そのままの姿で魂魄として尸魂界へ入ることができるんス」

「よーし!わかった!そんじゃあさっそく乗り込む・・・」
「本題はここからっす!」
浦原さんの杖が一護の腰にヒット!こりゃ痛いわな
「確かにこの門をくぐること自体は何の問題もありません。霊子変換に苦痛は伴わないし先へ進めば尸魂界にたどりつく」

「・・・じゃあ何が問題なわけ?」
「問題は時間なんス。我々が穿界門を開いて尸魂界へとつない出られる時間は・・・もって4分!」
「・・・4分・・・!」
「それを過ぎると門は閉じキミ達は現世と尸魂界の狭間である断界に永久に閉じ込められることになる」

「・・・断界については俺も聞いたことがある。確か拘流っていう魂魄の動きを乱す気流がただよってるんじゃ・・・?」
「そう、そしてこいつに足の一本でもからめ取られれば時間内に断界を抜けられる可能性は限りなくゼロに近くなる」
「・・・ど・・・どうすれば・・・」
確かにここまできてこれを聞かされるとちょっと気分重くなるよね

「前に進むのじゃよ」
「・・・夜一さん・・・!」
「言ったじゃろう、心と魂は繋がっておる。大切なのは心の在り様前に進もうという意志じゃ。」
「案内役は俺と師匠でつとめる。といってもほとんどは師匠、俺は邪魔な物を片っ端から追い払う役」

「迷わず恐れず立ち止まらず振り返らず遺してゆくものたちに想いを馳せずただ前に進むのみ。それができる奴だけついてこい」
「これは最終確認だ。これすらできない者はついてくる必要はない」
「・・・何寝ぼけたこと言ってんだよ。ここに集まって来た時点で全員心は決まってんだよ!」

「わかっておるのじゃな小僧。負ければ二度と此処へは戻れぬぞ」
「勝ちゃいいだけの話だろ!」
「・・・その通り」

「用意はいいっすか?開くと同時に駆け込んでくださいね」
「わかった」
「んんんー!!んんんんんん!!」
「・・・うるさいぞ、コン」


向こうで一護が騒いでるときに師匠が呼んできた
「なんです?今更別行動とでもいう気ですか?」
「いや、断界では斬魄刀を使ってはならぬ。わかっておるな?」
「俺が斬魄刀を振り回すだけの死神と思ったら大間違いですよ」
「そうじゃの」

「いきます!!」
「おう!!!」
門から光が出たと同時に俺達は門に飛び込んだ

視界がはっきりしてくると目の前にはあの地下とは別世界の風景が広がっていた
「ここが・・・断界・・・!」
「あかるさまに環境汚染が進んでる感じがすんな」
「そんなことはどうでもいい!さあ!呆けるな!走れ!!拘流の壁が追ってくるぞ!!」

「先導は師匠に任せます!後ろからが一番怖いんで俺が最後尾を走ります!みんな早く走れ!!」
みんな出口をめがけて走り出す
距離にしておよそ800メートル弱、4分で走れない距離じゃない
問題は拘流か・・・

後ろを振り返るとホントに壁が迫ってきていた
そのうえもう侵入者とみなされてしまったようだ。さっきから変なものが上から降ってきている
「ほ・・・ホントに壁が追いかけてくるぞ!僕たちが走り抜けたところがどんどん崩れてきてる!」
そんな叫ばなくたってみんな気がついてるっての

「振り返る暇があるなら一歩でも進め!拘流にのまれればお終いじゃぞ!!」
あと300メートルほどで出口あたりまで来た時に拘流が上から降ってきた
「みんな避けろ!!」
最後尾の援護としては前の方までは気がまわらない
気がついたとしても指示を出すことしかできないことを最初に話しておけば良かった

しかし今となってはもう遅い。石田の変なマントが拘流にからめとられた
「石田!!」
「バカが!変な服着てくるからだ!」
一護が斬魄刀を抜こうとする

「待て一護!!」
「斬魄刀は使うな!拘流は霊体をからめ取る!斬魄刀を振るえばそれごとお主もとらわれるぞ!!」
「じゃ・・・じゃあどうすりゃあ・・・」
「決まってんだろ!こうすんだよ!!」

そのまま石田に駆け寄り頭引っ掴んでマントを切り離せばOK
駆け寄ろうとした時には既にチャドが同じことをやっていたがまあ結果オーライだろ
「あ・・・ありが・・・うわー!!」
めんどくさかったのかチャドはそのまま石田を抱えて走り出した

「行くぞ」
「お・・・おう」
「あんたそれ普通だと思ってるでしょ」
「・・・・・・ム」

止るわけにはいかないからそのまま走り続けていると周りが少しだけゆれ始めていた
「・・・師匠、おかしくありませんか?」
「確かに様子が変じゃの。、周りに注意を払い続けて異変がないか見ていてくれ」
「はっ!」

確かに様子は変だがこれといった変化はない
ただ・・・こんな感じの現象が起こったあとは何かが起こるんじゃ・・・?
「お・・・降ろしてくれ茶渡くん!自分で走れるから!おろ・・・」
石田が急に黙った

「石田!後ろで何かが起こってるんだな!?どんなことが起こってる!?」
「みんな・・・何か・・・何かが来てるぞ・・・!」
何かが来ている・・・・・・?
「一護!今日何日だ!?」

「は!?何今言ってんだよ!」
「いいから!!」
「7日だろ?それがどうしたんだよ」
そう言った途端に壁の向こう側から変な丸いライトのようなものがついた物体が出てきた

「な・・・何なんだこいつは!?」
「師匠!拘突です!!今日は7日なんです!!」
「迂闊じゃった。7日に一度しか現れぬ掃除屋が何も今出ずともよいものを!!とにかく逃げろ!!此奴は恐ろしく早いぞ」
「もうすぐ出口だ!急げ!!」

俺達が必死で逃げているにもかかわらず拘突はすぐ後ろまで来ていた
「ダメだ・・・!追いつかれ・・・」
一護が呟いたとき、織姫が急に振り返った
「織姫!何する気だ!!」

「火無菊・梅厳・リリィ、三天結盾!!私は拒絶する!!」
ホントに話し聞いてない奴だな織姫って
「みんなちゃんと踏ん張ってろ・・・爆発するぞ!!」
そのまま本当に爆発が起こって織姫の盾ごと俺達は出口に飛ばされた

出口を通り抜け見えてきたのは・・・田舎のような町だった
20余年ぶりか・・・ここが俺の故郷・・・生まれ育った世界
そのまま空中で一回転して静かに着地
他のみんなは地面に叩きつけられていた

「・・・みんな、大丈夫か?」
「ぷうっ、あたしは大丈夫。他のみんなは?」
織姫が変な声を出しながら起き上がってきた
「そこで奇跡的な着地してる奴が一人いるよ」

俺が指差した方向には一護が変な体勢で着地していた
「ホントだ!黒崎君の着地姿勢芸術的!!」
「うるせえよ」

「あーあ、ついに帰ってきちゃったかぁ」
「そんなに帰ってきたくなかったのか?」
「微妙、まああんまりここにいい思い出はないな」
「・・・しかしひどい目に遭ったな・・・予想外だこんなの・・・まさかこんな早く替えのマントを使うはめになるなんて・・・」
替えだけはきっちり持ってきてるんだな(次何かやったらぶん殴ってやろう)

「でもよかった!誰もケガないみたいで!」
・・・こいつ・・・
「「いいわけがあるか!!」」
師匠も同じことを思っていたらしい、しっかりはもった
その上師匠は織姫に頭突きをおみまいしていた

「お前死ぬところだったんだぞ!ちゃんと話聞いてたのか!!」
「拘突に触れたのが盾部分だったからよかったものの六花本体が触れておったらおぬしの命はなかったぞ!!」
「・・・ご・・・ごめんなさい・・・」
「いいじゃねえかそんな怒んなくても!結果的には井上のおかげで全員無キズだったんだしよ!」

「一護てめえ・・・」
「おぬし・・・ことの重大さがわかっておらぬようじゃな・・・」
「・・・おい!土煙がはれてきたぞ!」
ようやく町並みがしっかりと確認できるようになった

「こ・・・ここが尸魂界か・・・?」
「そうじゃ」
「ここは一般的に流魂街、尸魂界に来た魂が一番初めに住む場所で瀞霊廷っていう死神の町の外縁に位置する場所」
そう言いながら地面に丸を書いて内側にもう一つ丸を描く

「簡単に図解するとこんな感じ。尸魂界の中で最も貧しくて最も自由で最も多くの魂魄が住んでる場所、俺もここ出身」
「へえ・・・その割には人影が全然・・・」
そりゃそうだ。こんなわけわかんない連中がいきなり来たら誰だって逃げるって

「あれっ何だ?あっちの方はずいぶん町並みが違うじゃねえか」
「ああ、あれが・・・」
「わかった!あっちが死神たちの住んでるナントカって街だな?」
そういって一護はいきなり突入しようと走り出した

「一護!!そっちに行くんじゃない!!」
「ばっ・・・ばか者!!迂闊にそちらに近づくな!!死ぬぞ!!」
「え?」
その途端に上から壁が落ちてきて行く手をふさいでしまった

「黒崎くん!!」
やれやれ・・・やっと一段落したと思ったのに
「う・・・わあああああああっ!?」
何か巨大な人物が落ちてきたと同時に砂埃が立った

「・・・久すぶりだあ・・・通廷証もなすにごの瀞霊門をくぐろうどすだ奴は・・・久々のオラの客だ。もでなすど小僧!」
出たな白道門門番・・・じだんぼう!
「相変わらずだね門番さん」
「ん?さんじゃねえべか!?ついに帰って来ただか!!」

「通してくれるかな?総隊長殿にも会わなきゃいけないし、帰ってきたとなると何かと忙しいんだよね」
「通廷証はあるから問題はねえ、ただオラとしては旅禍をこのまま放置するわけにはいかないんだべ!」
そう言うといきなり斧を振り下ろしてきた

「宣戦布告ってわけね・・・まったく、喧嘩っ早いんだから」
そのまま後ろに一回転しながら飛ぶ
「ぐふふ・・・さあ!どっがらでもかがっで来い!小僧!!」
鼻詰まりか?こいつ

「師匠、どうしましょうか?恐らく倒さないと入れません」
「今そのことを話しておった所じゃ。ここはひとまず一護を呼び戻して皆で作戦を練ったほうがよかろう。おい!一護・・・」
話を全く聞いていなかったバカ共(織姫とチャド)は師匠の言葉には耳も傾けず走り出していた
「・・・ってコラー!!!織姫!!チャド!!儂の話を聞いとらんかったのかおぬしら!?戻れっ!!もーどーれーっ!!」

「・・・師匠、人間ってのはああなると止んないんです・・・特にバカは」
「ふぅ・・・まったくしょうがない連中じゃ」
「そんで・・・俺もそのバカの一人なんです」
俺も一護の所に向かって走り出す

!!おぬしもか!!!少しは後先を考えぬかー!!」
「考えませーん!!」
でも向かうには向かったが一護のところまでは行けなかった
振り下ろされた斧が一面の岩盤をめくれ上がらせてしまいほぼ何も見えなくなってしまった

じだんぼうの野郎・・・絶対俺のこと通す気ねえだろ!
「コラ!じだんぼう!通れねえじゃねえか!!!」
さんも礼儀がなってねえべな、都会にはルールってもんがあんだ」
・・・俺、都会生まれの都会育ちなんだけど

「ひどつ、帰ったら手を洗う。ふだづ、ゆがにおぢたもんはくわねえ。みっづ、決闘する時は一人ずつ」
だからそんなもん聞いたことあらへんて
「オラの最初の相手はあのこんぺいとみたいな頭の小僧だ。それがすむまでお前たづはこごでおどなしぐしでろ」
「んなこと言われてもねえ・・・はやく俺ら中に入んなきゃいけないんだよ。それでもダメ?」

「だがらいっだべ?都会には都会のルールがあるんだべ。都会でやっでぐには都会のルールさ守らねばな」
・・・何言っても絶対通してもらえないなこりゃ
しばらくすると
「おーいチャドー、井上ー、ー」
と、一護の声がした

「黒さきくんっ!?大丈夫!?ケガない!?」
「おーぴんぴんしてら」
「ちょ・・・ちょっと待っててね!今から・・」
「あーそのことだけどな井上、お前らそこで何もしないでじっとしててくんねーか?」

突然の一護の申し出にみんなはただ呆然とする他なかった
俺も何も言わなかった、でもそれはみんなとは違う理由からだった
嫌な予感がする・・・何か厄介な者がこちらに近づいてきている・・・そんな感じ

「・・・一護・・・」
「だから心配すんなっての!聞いてただろ?俺だって浦原さんと10日間ずっと戦ってたんだ」
岩盤の向こう側から一護の声が聞こえる
「あ・・・ああ」
さんからも言ってやってくれよ!こいつ一人で敵うわけない!!」
結構話が進んでいたのか石田もいる

「石田、いたのか」
「・・・つくづくキミらは僕の勘にいちいち障るね・・・」
「あはは、まあ勝てるだろ?」
「当たり前だ」
「じゃあ任せたぞ」
「ああ」

一護ならば勝てるだろう
それは単なる「カン」ではない。確信・・・いや、運命にも等しいほどの事実だ
一護に足りなかった戦闘の経験、それがついたならば・・・三席の奴らもそうそう敵う奴はいないだろう
「話はすんだだか・・・?」
あ、待っててくれたんだ

「別に?元々待っててくれなんてたのんだ憶えはねーけどな?」
「・・・やっぱすお前も田舎もんだな、礼儀ってもんがなっちゃねえ。待ってもらっだら・・・ありがとだべ!!!」
岩盤が邪魔で見えないけど向こう側では一護が頑張っているようだ
さっきから斧と刀がぶつかり合う音と、「ぐはははは!!!」とかなんとかじだんぼうが叫びまくっている

「やるなお前え!!いいど!俺の斧を受け止めた奴なんて何十年ぶりだべ!!」
お、一護ちゃんと防御できてるみたいだな
「よぉす・・・んだら今日は・・・久すぶりに・・・手加減なしでやるべ!!」
初めからマジでやれっての、そんなんだったら護ってることなんねえって

そのあと聞こえてきたのは斧を振り落とす音とそれを受け止める金属音のみ
「な・・・何が起きているんだ・・・?」
みんなは何が起こってるかわかっていない
黙ってみているしかない。一護が望んだことだから

「そろそろフィニッジュいぐどー・・・十!」
実際には十二だけどね
その瞬間に目の前の岩は切れて一護が立っている姿が確認できた
「な・・・なんで・・・お前え・・・なんでまだ立ってられるだ・・・?」

「た・・・立ってる・・・黒崎が立ってるぞ・・・!」
「・・・黒崎くん・・・!」
数すら数えらんねえやつに負けるようじゃ一護おしまいだもんね
「終わりか?じゃあ・・・次はこっちからいくぜ・・・!」

「ま・・・まだだ!まだだど!まだオラの技はおしめえじゃねえど!!」
ふところから出したのは・・・斧
「二本目の斧・・・!!」
「ぬぅん!!うぬぬぬぬぬぬーー!!ぬああ!!受けてみろ!オラの最後の必殺技・・・万歳?丹打祭り!!」
・・・無意味だ、いくら必殺技があろうと今の一護にこんなレベルじゃ・・・無意味だ
「悪りぃ潰すぜその斧」

一護の一振りで無残にも斧は崩れじだんぼうは吹っ飛んだ
「終わりだな・・・」
「く・・・黒崎の奴いま何やった・・・?あのでかい奴が・・・吹っ飛んだぞ」
「勝ったってことだよ。もうあいつは一護には勝てない」

ものすごい音をたてて起き上がってきたが反撃しようとして斧がないことに気がつくと今度は泣き出した
「・・・今度は泣き出したぞ・・・何なんだ一体」
「バカ」
「サイレンみたい」
みんな思い思いの意見が飛ぶ

「完敗だっ!!オラは戦士としても男としてもお前えに完敗だ!!」
「完敗ってことは通してくれるってことだよね」
「この白道門の門番になって三百年オラは一度も負けたこどがながった。通れ!白道門の通行をじだんぼうが許可する!!」
「お・・・おうっ!」
「それと他のやつらも通ってええぞ」

「・・・ホ・・・ホントに僕たちも通っていいのか・・・?」
「ああ・・・オラはお前たづのリーダーに負けた!お前たづを止める資格はねえだ!」
「な・・・黒崎が僕らのリーダーだって!?冗談じゃない!」
「何ムキになってんだよおまえ?」

「黒崎・・・って言うだかお前え」
「ああ、黒崎一護ってんだ」
「いちごか・・・ずいぶんとまあめんこい名前だなや・・・」
「うるせえよ!!一等賞の一に守護神の護だ!めんこくねえっ!!」

「・・・気ぃつけろや一護・・・お前えが何でこの門をくぐるかはしらねえが・・・ごん中は強い連中ばっかだど!」
「わかってるさ」
「・・・そうが・・・イヤ・・・わがってんならいいだ・・・ほれ、今門を開げるからのいでろ。腰抜かすなよ〜一気にいくど〜!」
そういうと門の下に手をかけ一気に道が開いた

「う・・・おおおおおおおお!!」
「・・・驚きすぎだよ」
「だってスゲーじゃねえか、こんなデカイ門開けちまうんだぜ?」
「俺だって自分で開けられるわ!!」
「・・・聞かなかったことにしていいか?」
「いいよ」

でも・・・門番が開ける時って一番上までちゃんと開けるんだよな?
じだんぼうが一番上まで上げられないわけないのに・・・なんで止ってんだ?
「どうした・・・?何止まってんだ?何かあったのか?」
さすがに一護も不思議に思ったか聞いている

「ああ・・・あああああ・・・」
門の向こう側には目の細い死神・・・
「誰だ?」
「さ・・・三番隊隊長・・・市丸ギン・・・」
「・・・ギン・・・」

「あァ、こらあかん」
一瞬ギンの腕が動いた
「やめろ!!ギン!!!」
俺の横では無残にもじだんぼうの腕が切り落とされていた

「・・・てめえ・・・何のつもりだ・・・!?」
「ひどいなあ。ボクはただキミを迎えに来るついでにこの子らを追っ払いに来ただけやないの?なあちゃん」
あの時の予感はこいつだったんだ

あとがき
はいギン登場、中途半端で終わっちゃったけどとりあえずここまで読んでくださってありがとうございました
2006.3.11 煉城瞳
/〜BLEACH!!〜/