〜BLEACH!!〜
第十五話

「花火大会?」
夏休みも八月に突入、夏真っ盛りのこの暑い日に花火大会とは・・・物好きもいるもんだねえ
「ああ、だからついてきたんじゃねえのか?」
「いや・・・尸魂界に行くのって俺がやってたのと勝手が違うから手伝いに飽きてついてきただけ」

「なにか?お前もやっぱあいつらみたいに「解錠!」とか言って行けるわけか?」
「うん。でもあれやると還ってきたって一発で分かっちゃうらしくてさ、そういうの嫌いだからお前らと同じ方法で行くつもり」
「・・・なんかお前って勝手というかわがままというか」
「両方同じ」
「うるせえ、いちいち直すな」

「へいへーい、でも何でこんな早くから集まるかねえメインは夜だろ?」
「俺が知るか。だいたいなんでもうケイゴは来てんだよ」
「さあな」

様子から見て約30分前に来ていると見える浅野(そんなに寂しいか)
周りを落着きのないように見回しているから早く誰かに会いたくてしょうがないんだなこりゃ
「おーかえりィーー!!待ちわびたぜ一護!!一人で遊ぶのは淋しかったぞォ!!」
やっぱし
「ありがとよ」
そのまま顔に蹴り一発
「手厳しい!!」

「何やってんだてめーらは」
「おお!さんまで!!」
「ただいまー!僕も帰ってきたよー!一人で遊ぶのは淋しかったかい?ケイゴ!」
小島は真っ黒(名前は水色なのに)

「うるせえ!外国かぶれが!!てめーなんか塩でも喰らえ!!」
「ああッ!しみる!!プーケット焼けにしみる!!」
やたらうるさくなったな
「あいつらコンビとか組めば結構いけんじゃねえの?」
「かもな」

「ほらそこのお笑いコンビ、行くんだろ?花火大会。早く行こうぜ」
「まだチャドとかきてねえだろ」
二人に代わって一護が答える
「あ、あいつもくんの」

「たつきと井上も来るぞ」
「それは知ってる」
「今何時?」
「3時10分」

はやっ!まだ夕方まで全然あるじゃん
「なーケイゴォ、今日のメインて夜の花火大会だろ?こんな昼真っから集合かける必要あったのかよ?」
「何を言うかァ!俺が今日のこの日をどんだけ楽しみにしてたと思ってんだ!」
知るか、んなこと
「それこそ昨日からワクワクで一睡もできなかったんだぞ!!」

「遠足前の小学生みたいだな」
「まったくだ」
「ホントなら朝の午後11時くらいから集合したかったぐらいだ!!」
「それは朝じゃなくて昨日の夜だな」

時計も読めないほど淋しがっていた浅野の話によれば10日でRPGを5本クリアしたらしい
「お前ゲームの才能あるんじゃねえのか?」
「二日で1本だろ?まずありえねえな」

そういった途端に浅野が消えて「ジャマ!!」と聞きなれた声がした
「よっ!」
「有沢さん!井上さん!」
「チャドも一緒か、珍しいな」
「よう!あれ、まだ治ってないな。大丈夫か?」
「うん、大したケガじゃないしすぐ治るってさ。あんたこそ大丈夫?」

「俺なんか全然!ただのひびだから3日で治っちゃった」
「・・・たつきお前どうしたんだその腕!?」
「あーこれ?これはねインハイのときやっちゃったんだ」

「そんな普通に言うんじゃねえよ、ところでどうだったんだお前ら、インハイあったんだろ?」
「あーそれね。たつきから言ってよ」
「あ、えーっとねあたしが準優勝」

数秒間の沈黙(俺は知ってたから普通に黙ってた)
「準優勝ォ!?」
そんなおどろかなくったってねえ
「じゅ・・・準優勝って・・・インハイで2位ってことか・・・?」

「そーよ!やってらんないっての!このケガさえなけりゃ優勝できたってのに!」
「あ!それは聞き捨てならねえ!!」
「何言ってんの!あたしが勝つって言ったでしょ」
「いいや!絶対次も俺が勝つもんね!!」

「しかしお前の腕を折るなんてな・・・一体その決勝の相手ってのはどんなバケモノ・・・」
「あー違う違う、試合じゃないんだコレ。準々の後に車にはねられたの、それにがあたしの腕折るわけないでしょ」
「はねられたのかよ・・・ってお前今なんて言った?」
「車にはねられた」
「もう少し後だ」

があたしの腕折るわけないでしょ」
「・・・つーことはお前・・・」
「俺はインハイ優勝、たつきと一緒で車にはねられちゃったけどまあそれほど重傷じゃないし」
「・・・片手で決勝まで行ったのかてめーら」

「こんなケガで負けるようじゃまだまだ練習不足だしね!」
「そうそう、それに準決もたいしたことなかったし」
「ゴリラ女は出てきたけどただデカイだけだし」

「あのゴリラ?確かにあんなのが女子高生ってビックリしたけど・・・やっぱ一番ビックリしたのは車の方だな」
「確かに車が飛び出してくるなんておもわねえもんな。ビックリしたよ」
「たつきはともかく何でまで骨にひびはいんだ?ひかれたのはたつきだろ?」

「あたしがジュース買いに行ったんだ。準々の後に」
「そんで車が飛び出してきてたつきがひかれそうだったから助けようと俺が飛び出したら間に合わなくて結局一緒にドーン!」
「でも棄権はイヤだったしそのままで試合出て対あたしになったわけ。んで結局一本取られちゃった」

「不利な状態なのに決勝行ったしワン・ツー俺らの学校がとったから結構有名だぜ?」
「これで予告通りになったしね。じゃあ結果報告終了、行こう」
なんかみんな今の会話にずいぶん圧倒されてるみたいだけど・・・そんな事俺ら知らないも〜ん


夏休みの出来事などを話しながらとろとろ歩いていると結構夕方近くなってきた
「おーなんか喋りながら歩いてるだけでけっこー時間たってんな」
「会場どこだっけ?」
「小野瀬川」
「え?じゃあもうここじゃん」

「違げーよ。打ち上げは川向こうの私立グラウンド!」
「だからもっと向こうじゃないとキレイに見えないよ」
これだから出かけるのはイヤなんだ
「俺ここでいいや、行かなくても見えるし」

「そうそう、なんかもうこのへんでいいんじゃん?あんま近いと出店とかで人多いし」
「それが若者の言うことかァ!!」
誰だって言うわ!!
「花火大会ってのはお祭りだぞ!!花火に大騒ぎで店に大騒ぎ浴衣の女子には鼻血!これこそ花火大会の神髄!」
あほか

「大体なんだお前らは!?花火大会だっつってんのに私服できやがって!!やる気あんのかコラァ!!」
「涙ながら俺らに言うなって。大体浴衣なんぞ邪魔で着てくるわけねえだろ?」
「そうそう。大体あんたらだって私服じゃない」
「うるせえ!有沢はともかく井上さんとさんの浴衣は超見たかったー!!」

持ってない!そんな女子が着るものなんか絶対持ってない!!
「そのとーり!!」
俺の心の意見に賛成したのか浅野の意見に賛成したのかは知らないけど突然叫び声が聞こえた
はるか遠くに3つの影・・・よく聞いたことのある声とともに近づいてきたのは黒崎一家だった

「おにーちゃーん!!」
「一護ォー!!」
「一兄ぃー!!」
やけに上機嫌だなこいつら

そのまま一護に突進
「な・・・・・・ぎゃー!!」
叫び声とともに一護ともども坂を下って(転がって)行った
「・・・毎年毎年こうなわけ?」

「こうじゃない年の方が珍しいね。今年はやけにすごいけど」
「へぇ〜。じゃあ俺らもおりよっか」
そのままフェンスを越えて下へ
「なによう!あたしのバナナが食べられないってゆうの!?」

遊子の大音量の声が聞こえる
「ボリュームがでけえよボリュームが!!何なんだお前酔ってんのか!?」
「酔ってるぞ」
「なんでだよ!?」

「イヤー会場で八百長のケンじいさんがフルーツジュースの屋台出しててな」
なんでジュースで酔うんだよ
「そこでジュース飲んだんだけどあのじいさんボケてて酒の事水だと思い込んでるらしくてな。酒まぜてたみたいなんだわ」
結局そんな理由かい!!
「あの・・・予想で喋って申し訳ないっすけど・・・それたぶんボケとかじゃないっすよ」

「・・・まァそんなことはどうでもいいじゃないか」
よかねえよ!犯罪だ犯罪!未成年が飲酒していいわけねえだろ
「それよりどうだ?向こうに朝の7時から確保してある特等席があるんだが・・・そこにみんなで移動しないか!?」
「マジっすか!?」
「やったー!!」

「・・・一心さんたち朝からいなかったのって・・・このせい?」
「この様子だとそうだな」
「ホントは川にイカダ浮かべてそこから見ようと思ってたんだがケーサツに捕まりそうになってね!ハハハ!」

「・・・イカダだってよ」
「いっそそのままブチ込まれてしまえばよかったのに・・・」
「俺も思った」
「そこの可憐なレディ達もどうだい一緒に!?」

「あとで行きます」
おお、さすがたつき。かわし方わかってるなぁ
「うむッ!わかった!!それじゃ行くぜヤロウ共!!レッツラドン!!」
そうとも知らず・・・いい気なもんだよ一心さんも

「・・・はー、仕方ねー俺も行くか・・・」
「あ、俺も行く!」
「ああ、悪りーなたつき毎度毎度、イヤなら来なくても大丈夫だからな」
毎度なんだ
「わかってるわかってる。心配しなくても後からちゃんと行くって、早く行ってあげな」

「そんじゃいこ。見失わないうちに」
「ああ」
それにたつきと織姫もなんか二人きりの方がよさそうだし
ホントの親友ってこんな感じなんだなってよくわかるね、この二人は

「・・・力、戻ったんだろ?」
たつきと織姫が見えなくなったときに一護に聞いてみた
「ああ、ついで言うとお前のことも全部聞いた」
「それは困る、そのこと全部忘れてよ、俺過去とかそういうの嫌いなんだ。ごちゃごちゃしてるのなんかなおさら」

「そうか・・・」
「あと昨日のうちにあんまよくない知らせが入った」
「・・・ルキアのことか?」

「ああ『第一級重禍罪朽木ルキアを極囚とし、これより二十五日の後に真央刑庭に於いて極刑に処す』最終決定だそうだ」
「そうか・・・でもその決定もすぐ無駄にしてやるさ。だから俺は力を取り戻したんだ」
「それならいいけど何かがあるんだ。ただの旅禍騒動で終わればいいんだけど・・・もっと裏で何かが起ころうとしている」
「んなこと知るか。俺たちの目的はルキアを助けることだ、裏だろうが表だろうが関係ねえ」

「そうだな、まあ夏休み以内には帰ってこれるから安心しろ。絵日記に書けるだろ?」
「絵日記なんかねーよ!第一そんなもん書けるか!!」
「だよね」


おまけ

「それにしても・・・あの穴は一体誰があけたんだ?」
「え?」
「スゲー深い穴に入って虚になりかけたんだぞ俺」
「あ、俺があけた」

「やっぱりてめーか・・・深すぎだ!!」
「なんで!?頑張ったのに!!」
「大体なんであんなに開けるんだよ!帰ってから30分しか経ってねえ筈だろ!?」
「一発だって、5秒かかんなかったと思うけど」

「何で開けたんだよ」
「素手」
「は!?」
「聞こえなかった?素手で開けた、それだけ。時間がなかったから」
「・・・もういい!!行くぞ」


あとがき
久々のおまけ付きです
・・・終わりです。ここまで読んでくださりありがとうございます!!
次回は一応尸魂界へ突入(予定)します
2006.2.9 煉城瞳
/〜BLEACH!!〜/